晴れてるけどすごく寒い、、、そんな土曜の午前中に知り合いの紹介である人と会う約束をしていた。
出発する直前に「ヘイ！ なんかウエストケンジントン駅がクローズしてるみたい！」と連絡が入った。
約束の場所はウエストロンドンのハマースミスという地域にあるウエストケンジントンだが、ロンドンではこういうことがよく起こる。
「そっか～、じゃあ隣のバロンズコートで降りて歩いていくよ」
休日かつヒースロー空港が終点ということもあり、地下鉄ピカデリーラインは混み混み。大きいスーツケースと人に挟まれながら目的地へ到着。彼女はカフェで待っていた。
「初めまして！ チェルシーだよ！」
チェルシーちゃんはロンドンの大学院に通いながら仕事をするジャマイカ人。そしてなんと、日本の中学校などで英語を教えるアシスタントランゲージティーチャーとして2年前に大阪に住んでいたことがあるというのだ。
公園を散歩しながらジャマイカやロンドンの話や好きなアーティストの話、見た目によらずいきなり音楽を流して流行のレゲエダンスを見せてくれたりと、かなり面白い。
日本の話になったときに「そうだ！」と言ってバッグからキーホルダーを出して見せてくれた。
「なんかこの5円のコインが好きでいつも付けてて、友達にもあげたりしてるの」
「お、いいね～。5円は“ご縁”の意味もあるしね」と言うと、「？？？」な顔。
「5円って、日本語では“GO-EN”と発音するんだけど、同じ音で“ご縁”っていう言葉があって、“FATE”、“DESTINY”、“CHANCE“とか“GUIDANCE”って意味なんだよ。だから神社とかでお賽銭にしたり、池とかパワースポットに投げたりするんだよ」
「えー！ 知らなかった！ 凄いね！」「それを知らずに5円玉付けて歩いてたって本当に凄い！」と笑いながら、お互いの自国から離れたこんな場所でタイミングが合って会うことになるなんて本当に“ご縁”でしかないなと、ちょっと恐ささえ感じた。
つづく
