3. ボリウッドナンバル1監督にギリギリインタビュー!
さてさて、私は後ろ髪ひかれながら、今回のインド取材最後のミッションとなる『きっと、うまくいく』ラージクマール・ヒラニ監督インタビューへと向かいます! 空港に行くまであと2時間! 車をぶっ飛ばして監督のもとへ~!!
約束の時間より1時間半くらい遅れ、監督を待たせてしまっている上に、取材時間は30分しかない!(あの時のわたし、どんな顔をしていたのだろう。)ハラハラしながら、監督の待つ事務所へ到着! 中へ入ると、なんとまあ、アットホームな事務所なんでしょう! しかも、監督が笑顔でお出迎えしてくれるや否や、「ご飯でも食べながらインタビューしよう!」と言ってくれたのです。優しい監督に心がほっこり。
カレーやチャパティなど全部おいしかった!(取材しなさい!)
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歴代スターたちが並ぶ事務所。やはりスターは欠かせない。
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インタビューを紹介する前に、「ボリウッド4」のなかでもイチオシ作品である『きっと、うまくいく』(5月18日から公開)についてチェック! 本作は、インドで2009年に公開、そしてインド映画歴代興収“ナンバル1”という記録を打ち出しました。未だその記録は破られていません! さらに、全世界興収75億円を叩き出し、世界中でリメイクが決定! インドの難関大学が舞台となり、競争社会や就職活動のプレッシャーなどが描かれており、決して軽いテーマではありません。しかしこの映画、最後の最後まで明るく爽快! 先に紹介したように、あのスピルバーグ監督も、ブラット・ピットも大絶賛しているという、世界中が笑って泣いて感動した、奇跡の青春映画なのです! もはや世界基準の映画となった『きっと、うまくいく』について、監督の視点から語って頂きました!
ヒラニ監督。優しいオーラ全開♡
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――『きっと、うまくいく』は世界中でヒットしましたね。その理由は何でしょう?
理由はこれだとはっきり言うのは難しいけれど、中国、韓国、それから台湾でも大ヒットしたからね。私が思うに、どこの国にも共通するテーマを含んでいたからじゃないかな。どこの国でも子供たちはすごいプレッシャーの中で生活している。そういう自分たちと同じ状況が描かれていたし、子供たちだけではなく、その両親のこととかも描かれていたからね。共感を呼んだのだと思うよ。
――『きっと、うまくいく』を撮るきっかけになったのは何でしたか?
自分の人生を振り返ってみて、一番大変だった時期はいつかというと、それは12年生(注:日本で言うと高3にあたる上級中等学校2年生で、この年に大学への進学に影響する全国共通テストが行われる)の時だと思ったんだ。いい点数を取ることに追いこまれ、夜も眠れなかったほどだ。数日ごとに出てくる試験結果が何点なのか、毎回とても心配だったんだよ。それによってどこの大学に行けるのか決まってくるからね。だから、この年代の子供にはものすごいプレッシャーがかかってくる。それを思い出して、教育がもたらすプレッシャーについて映画を作ってみたいと思ったんだ。
ただ、映画にするとなるとエンターテインメントの部分も考えなくちゃいけない。だから観客を楽しませる要素も付け加えた。ご存じのように、私の作品はいつも何か自分が言いたいこと、テーマ性を盛り込んでいる。『きっと、うまくいく』では、教育問題というテーマを盛り込んだというわけなんだ。
――最後に、日本の皆さんへのメッセージをお願いします。
この映画は、特に大学で学んでいる人たちにぜひ見ていただきたい。教育は我々の人生の3分の1を占めるとても大切なものだと思う。ただ、最終的にはどの人も自分がなりたいものになること、これが一番大事なことだと思うんだよね。自分で実りある選択をして、自分がやりたいことをやる。たとえばアーミル・カーンも、好きな仕事なら24時間ぶっ続けにやっていても全然疲れない、それって喜びだから、と言っている。自分が本当にやりたいことをやるなら、一生懸命やる結果、成功にもつながっていく。エンジニアだろうと医者だろうと、あなたが望むものになりなさい、というのがこの映画メッセージで、それをぜひ感じ取ってもらいたいね。映画をどうぞ見に来て下さい。きっとあなたを笑わせ、泣かせて、ハッピーにしてくれますから。
★インタビューを終えて・・・
終始、落ち着いて丁寧に答えてくれたヒラニ監督。この時間は、取材中の慌ただしさを忘れ、監督の話に引き込まれていました。明るくて優しくて、本当にこの映画の雰囲気にピッタリな方でした。「自分で実りある選択をして、自分がやりたいことをやる」監督自身が実行しているからこそ、この言葉に説得力を感じます。何かに迷っている、自信がない、あと一歩踏み出せない、、、そんなアナタの背中を押してくれる作品です。監督の想いが、みなさんに届きますように!
ということで、インタビューが終わればまた慌ただしい時間がやってくる! プリヤンカー取材班も、こちらに駆けつけ、監督に挨拶し、すぐさま空港へ~!! 急げ~!!
ということで、新人宣伝マン・カセの初めてのインド取材が終了! 映画大国インドの中枢、ボリウッドのパワーをたっぷり吸収できましたっ! このエネルギーを日本に持ち帰り、『きっと、うまくいく』公開に向けて絶賛稼働中です!! 2回にわたってインド取材レポートを読んで頂き、ありがとうございました! 「ボリウッド4」をさらに楽しんで頂けたらと思いま~す! さて、次はいつインド行こうかな~☆
(text by Eriko Kase)
『きっと、うまくいく』
5月18日(土)より『きっと、うまくいく』全国拡大ロードショー!!
出演:アーミル・カーン、カリーナ・カプール、R.マーダヴィン、シャルマン・ジョーシー
監督:ラージクマール・ヒラニ
字幕監修:いとうせいこう
2009年/インド/170分
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