マステ~! ワタシ、インド、イッテキマシタ! 昨年公開した『ロボット』を皮きりに、今日本ではインド映画ブームがじわじわと押し寄せています! 公開中の『恋する輪廻』は、口コミで徐々に広まりファンが急増!

そして来たる4月20日(土)、映画大国インドで大ヒットを記録した選りすぐりの映画4作品「ボリウッド4」がついに公開! 「ボリウッド4」で上映されるのは、インド歴代興収大1位を記録し、スピルバーグも大絶賛した『きっと、うまくいく』、世界6か国という壮大なロケ敢行した事が話題のインド版007『タイガー 伝説のスパイ』、ベルリンを舞台に繰り広げられるインド版ルパン三世『闇の帝王DON ベルリン強奪作戦』、キング・オブ・ロマンスと称される巨匠の遺作、インド版冬ソナ『命ある限り』という豪華なラインナップ!

この公開を記念し、新人宣伝マンである、私・カセはインドの映画業界の中枢である“ボリウッド”を取材してきました~!

目次:
1. まずは…“ボリウッド”って、ナニ?
2. 最大・最古・最新! あらゆる映画館を巡る
3. 「ボリウッド4」出演、煌めくスターの縁ある地を直撃!

1. まずは…“ボリウッド”って、ナニ?

【インド取材レポ】ナマステ、ボリウッド!日本人がまだ知らないインド映画の魅力をまるっとお届けっ! film130418_bollywood_film1-1

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レポートの前に、まずはボリウッドとは何かお教えしましょう。ボリウッドとは、インド映画生産地ともいえるインド中心部ムンバイ(旧ボンベイ)、あるいはその映画業界のことを指し、ハリウッドをもじって“ボリウッド”と呼んでいるのです。インドは多言語国家であり、それぞれの地域で映画が制作されています。中でもボリウッドで作られるヒンディー語映画が一番多く、インド国内で制作される映画のうち、全体の約50%を占めています。ちなみに、怪しいおじさんラジニカーント主演の映画『ムトゥ 踊るマハラジャ』(98年)や『ロボット』(11年)はタミル語映画なので、ボリウッド映画ではないのです!(驚)

そんな“ボリウッド”が注目されているのは日本だけではありません! むしろ、「やっと日本にもボリウッドの波がきた!」と言っても過言ではないのです。最近では、レディ・ガガが「これからはハリウッドじゃなくてボリウッドよ」とコメントしたり、ブラット・ピットやペネロペ・クルスがボリウッド映画に出演してみたいと言ってみたりと、世界中が“ボリウッド”に大注目! なんでも、ハリウッドの話題作にインドマネーがつぎ込まれてる・・なーんて話もあるとかないとか!

でもなぜ今、ボリウッドなんでしょうか?? これまでのインド映画といえば、【突然始まる歌と踊りが満載の不思議な映画】というイメージではないでしょうか? しかし、今のボリウッド映画は違います! 【よりスタイリッシュな映像】、【最後まで飽きさせない抜群のエンターテイメント性】、そして【作品ごとの幅広いジャンル】が今のボリウッド映画の魅力。歌や踊りだけではない、その魅力がたっぷり詰まった「ボリウッド4」を観れば“ボリウッドのナウ”がわかっちゃいますよ!

2. 最大・最古・最新! あらゆる映画館を巡る

「インドの映画館ではミュージカルシーンになると歌って踊り出すらしい。」昨年インド映画が公開した時、このような噂を聞いたが、これは本当なのか? その真相を確かめるため、ムンバイの様々な映画館を調査してきました!

ムンバイには日本と同じように、いわゆる単館系の<シングルスクリーン>と、シネコンの<マルチプレックススクリーン>の2種類があります。料金は日本では基本的に一般1800円であるのに対し、インドでは上映作品、上映回、座席によって変わるというからビックリ! だいたい約30円~450円くらい(その差15倍!)で基本的にめちゃくちゃ安い! それくらい、映画はインドの人々にとって身近なものなんです! ムンバイの人々の日常が詰まった様々な映画館の様子をご紹介!

ムンバイ最大の座席数を誇る「チャンダンシアター」

1107席というムンバイ一座席数の多い<シングルスクリーン>。すべてフィルム上映。この日は、ちょうど2日前に公開となった新作『SAHEB BIWI』を上映していました。広~い劇場の空間に負けずと劣らず、大きなスクリーンから溢れる映画のエネルギーは迫力満点!(名物マサラポップコーンがあるというので、食べてみると・・・普通の塩味のポップコーンだった。)

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公民館みたいな雰囲気

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<料金表>時間・1階席と2階席で料金が変わる

ムンバイ最古のクラシックな映画館「エドワードシアター」

古い建物とたくさんの人々で賑わう街中にある509席の<シングルスクリーン>。なんとこの映画館、いつ建てられたのかが不明! 「1880年にはあった。おそらく、1850年代に建てられたと思うが」と劇場支配人。1850年代つったら、ナポレオン3世即位とかクリミア戦争勃発とか日米修好通商条約とか横浜開港とか・・・そういう時代ですよ!

この映画館、他の映画館と何が違うかって、“匂い”を感じるんです。様々な時代の人々の熱気や、空気が染みついているんだろうなと。開映時間が近づくにつれ人々が集まり、映画館の空気が暖かくなる。人々に愛される、歴史ある映画館にしみじみ。

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ミニシアター好きにはこの雰囲気たまらん!

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昔のマラティー語映画を上映中。1年に44本のマラティー語映画を上映するという地域愛溢れる映画館

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明らかに古い! 塗装剥がれまくり! それがイイ!

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チケットカウンターの裏側。今日もチケットさばくで!

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客席。クラシックなデザインにうっとり。

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舞台裏。さらに古さをうかがえる。まるで映画のセットのよう。

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家族で観にくるのが昔ながらのスタイル。なぜか着替えを持ってきていました。

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常連のおばあちゃん。「新しい映画は一切観ないよ」と言い切る。腕のタトゥーもステキです。

これが最新! インドのシネコン「PVRシネマ」だ!!

日本でもお馴染みのシネコンがインドにもありました! <シングルスクリーン>とは違って、ショッピングセンターの中にあり、広いロビーに充実したコンセッション! ボリウッド映画はもちろん、ハリウッドの新作も上映。客層も若者が多く、友達同士やカップルが目立ちました!

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全部で5スクリーンの「PVRシネマ」

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『ジャンゴ』も公開中! ムンバイでレオ様にナマステ~!

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コンセッション。スナックやサンドイッチ、ジュースなど、販売しているものも日本とあまり変わりません。

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巨匠やスターたちのポスター。なんと、黒澤明監督がいました!(右から2番目)

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「ボリウッド4」の2作品にも出演! カトリーナ・カイフは、大大大人気なんです! 美しい~

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これだけ現代的なのに、なぜかチケットカウンターの電気はついていなかった・・・

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若いお客さんが目立った「シネマックス」。歴代スターたちの写真が天井にズラリ!

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まるでTOHOシネ●ズ!? 座席の料金は、前:約280円、中:約350円、後:約450円

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なんと、後方の座席(約450円)は170度リクライニング!!!シャンパンを飲みながら~なんてことも。デートにピッタリ!(ただ、全部倒すとスクリーンが見えなくなるけどね・笑)

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ポスターが並んでいる長~い通路。

さてさて、このようにいろんなタイプの映画館を取材してきましたが、それぞれの映画館に味があり、上映作品も幅広い。自分の好みに合わせて、行く映画館も変わる。庶民的な<シングルスクリーン>、現代的・高級感溢れる<マルチプレックススクリーン>。この2つが共存しているのが、“ボリウッドの今”なんですね。

また、最初に抱いていた疑問「インド人は上映中に踊り出すのか?」については、「ムンバイではそのようなことはない!」という結果に。どうやら、先に説明したインド南方で作られるタミル語映画は、伝統的なコテコテインド映画が多いので、一緒に歌って踊ることもあるらしいのです。しかし、スタイリッシュなムンバイの人々は、<テーマ>や<ストーリー>を重視する映画の観方が徐々に広まってきているため、踊ることはないということでした~。「ボリウッド4」の作品も、歌や踊りよりも物語が際立っていることにも納得!

>>お次は 「ボリウッド4」出演、煌めくスターの縁ある地を直撃!