日本版『息もできない』?
ポール こういう映画だと、あまりまだ世の出てない俳優の人が、この人芝居なのかな、実人生が出てるのかなって、そういうことが魅力になったりしますね! このポスター観た時に、俳優2人の顔! ぼけてはいるんですけど、ざらついた雰囲気がすごくあって、2人の芝居はどんな感じなんだろうって気になります。やっぱり2人の演技は見どころになっていますか?
岩本 まさにそうですね! ポスターのざらついているのは、本当にそう受け取って貰って嬉しいです。ポスターのコピー「ここから這い上がるんだよ」も考えたんですけど、本当に役者2人の実人生が重なるように私も見えて、結構つらい状況に置かれている2人なんですけど。
ポール えっ! 実人生が!?
岩本 いや(笑)、映画の中で!
ポール あー役の中でね(笑)!
岩本 そこから抜けだそうと、もがいて行く感じで。役者さん2人も長い間俳優をやっていて、この作品が初めて長期間公開されるので、ここから頑張りたいという気持ちがすごいある方で。少し重なるところはあると思っています。
ポール ロッキーのスタローンみたいな!
3人 (笑)。
ポール この映画はインディーズですか?
岩本 インディーズです。自主映画ですね。
ポール なんかあれ思い出しますよね。『キッズ・リターン』。
岩本 確かに!
ポール あと、韓国映画の『息もできない』とか。
岩本 あっ、それはよく言われます! 日本版の『息もできない』みたいだねって!
ポール やっぱり!それポスターから感じたんですよね。『息もできない』感を。
岩本 そうなんです!!
ポール どんな人に届くようにポスターを作ったんですか?
岩本 若い人たちに観てほしいなって思いました。主人公(20代〜30代)と同じくらいの世代の人たちです。作品に『息もできない』のような感じがあるので、韓国映画が好きな方にも気になってもらいたいなって思っています。
ポール 作品から多分こういう映画なんだろうって伝わるし、表情もすごくいいなって思いました!ポスターからもこういう映画なんだろうなって伝わる部分はありますね。
岩本 このポスターのぼけは、悩みながら作ったんですけど、逆に有名な俳優さんだとこんなぼけた写真は使えないので、今回はやろうと思いました。
ポール 売りとしてね!
岩本 そうなんです!
ポール それは、俳優さんや監督さんがまだ有名ではないことを逆手にとっていて、プロモーションとしては面白いですね!暴力描写はどういう感じなんですか?激しめですか?
岩本 暴力描写は監督がすごくこだわっています。監督の生まれ育った場所が広島で、ガラの悪いところだったらしく、不良ばっかりで。監督は全然不良ではないんですけど!
ポール あっ、違うんですね(笑)!
岩本 こんな作品を作るとは思えない雰囲気の監督で。本当におっとりしてて。聞くと監督は暴力を受けてた側だったらしく。暴力描写はリアルにやりたかったって話してました。
清野 だからこんなに映画から痛さが伝わってきたんですね。殴られた人ほど痛みがわかるっていいますよね。
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