ハングリーさから生まれる幸せ

ポール 割と僕はそういう所で入江さんとは少し違っていて。“映画撮ると貧乏になる”というのが定説で、貧乏な状態でさらに映画を撮るっていうのは受け入れられなくて。そういう意味では入江さんは尊敬しています。チャレンジして、本人もすごく苦しくて、映画が出来上がった後に、映画館で上映するための宣伝やらを手弁当でやらないといけなくて。結局映画完成しても地方上映や映画祭でイベントに声かけられて嬉しいけど、そういうことに貢献すればするほど、金銭が発生しないのと仕事ができなくなって貧乏になっていく。当時入江さんもブログに書いていて、ちょっとセンセーショナルな話題になっていましたね。それでも、ああいう風に達成したことは、本当に尊敬しています。

清野 僕はハングリーさの面で言うと、お金がなくて選択肢がないから、何か一つに集中しないといけない時に生まれる、「もっと自分が何かすごいもの作ってやる。書いてやる」という感情があった。結果的にそういう20代を生きて幸せだと思っている。お金がなかったことで、自分がしたいことがはっきりした。今思うと幸せだったなと。

裕福って幸せ!!

“「映画」を面白く”神木隆之介主演『太陽』 film160421_taiyou_6

清野 それじゃ、自分が豊かな人種「ノクス」だったらどう思う? 幸せかな?

ポール お金があるに越したことないよね。唸るほど欲しいけどね!

清野 この話、盛り上がりそうだね!!

ポール 自分がお金預けている銀行に行ったら、金庫が閉まりませーん、チャリンチャリンって鳴っているくらい。それはわしの金じゃよって言いたいくらい(笑)。

3人 (笑)。

清野 僕は身近な所なんだけど、最近よく会社の上司が奢ってくれて、すごい値段の高いところで。それ体験しているうちにお金持ちいいなーって(笑)。なんでもできるんだなって(笑)。奢れるし、1週間くらい休んで家族でロサンゼルス行くとか、なんでもできるんだなって。

3人 (笑)。

お金があるとできる幸せって、結構明るいことなんだなって

“「映画」を面白く”神木隆之介主演『太陽』 film160421_taiyou_4

清野 ほんとに、昔はそういう感覚はなかった。さっき貧しいから幸せって話したけど、ハングリーだからできることはある。でも、お金があるとできることって結構明るいことなのかなって。ハングリーからできることって結構戦いみたいで、暗いものだと思う。

有坂 ハングリーから生まれるものって、その人の本質的なものなんじゃない。でさ、貧乏からお金持ちになったら本当にいいけど、その逆はどうなんだろうって。ウディ・アレンの映画にあったけど、お金持ちから貧乏になってそこに幸せはあるのかな。

ポール 寓話とかでも結構ありそうですね。ただ、ああいう物語で得てして語られるのは、お金持ちだから幸せじゃないんだよっていう。貧乏ものの発想だよね。童話とかさ。

清野 映画の中の結(門脇麦)のお母さんはノクスで暮らして、不満なことがないっていう暮らしをしていたよね。

ポール 争いも起きてなかったよね。

清野 あっ、確かに! そういえば最近引っ越しをして、少し家賃が高めの所に引っ越したの。前と大きく違うのが、みんなフレンドリーなのよ!

ポール 余裕があるの?

清野 そうそう。余裕があるんだなぁって思って。マンション内の人付き合いも良くて、会ったら挨拶するし、しかもちょっと会話するんだよ!

有坂・ポール (笑)。

清野 全然、他愛もない会話なんだけど。ある程度お金持っている人が集まると、余裕があって違うんだなと。

ポール 学生の時に住んでいたアパートで、隣のおじさんとよく話をしていて。隣の隣の人が、夜の10時くらいにエアコン工事をがーがーってやっていたのね。そしたら、ベランダからコンコンってノックされて、「ごめんなさい、隣で工事しているんですけど、これ」って。近所のスーパーの乾麺のパスタ2袋。俺、それすげー嬉しかったけどね! パスタのチョイスも含めて!

清野 その話、キュリオ(貧しいから幸せの方)の話じゃない(笑)??

ポール あー、そっちかなー(笑)。

清野 だってそこのでっかいマンションに住んでいる人の話でしょ。自分でノクスの体験していないから分からないけど。

ポール 分かんないけど……奥さん不倫しているかもしれないよ。旦那も不倫しているかもしれない(笑)。

清野 僕らの結論は、ノクスは語れないになっちゃうじゃん。

ポール 語れないよね。お金持ちじゃないから。願望とさ、妬みしかないよね。

3人 (笑)。

清野 ノクスは幸せか!? みたいな。僕らは結論として話せないけど、頑張って話そうよ!

有坂 そこのマンションに住んでいる人はわかんないけど、自分の過去と比べてどうなっているか? 裕福になっているか、生活レベルではどうだろう。

清野 そこ、話そうよ!

有坂 僕の場合は、欲しいと思ったものがすぐ買えることがこんなに幸せなんだって思った。前は他のものを削ってとか、計算するとか、その場では買えなかった。手持ちもないし。だけど、欲しいコートとか、その場で変える幸せはあるなって。

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