僕たちは、学生時代に名画座に通い続けて、文字通り映画の力に魅了されました。そして今、こうして映画に関わる仕事をしている中で、ふと思ったことがあります。映画の作り手は常に挑戦しているけれど、映画の伝え手は何も変わっていないのではないかと。テレビや雑誌やウェブには、映画評論があり、監督や俳優のインタビューがあり、いつもと変わらない風景が広がっています。

今そこに新しい風景を描きたいと思いました。どんなに難しい映画でも、どんなに面白い映画でも、どんなにつまらない映画も、すべてが必要な映画でした。

映画が好きな人も、まったく知らない人も。映画をもっと面白く見せたい!

映画から生まれる1つのテーマを手がかりに、自分たちを探りながら、映画にバトンタッチしていきます。

今月の映画
『太陽』
2016年4月23日(土)公開

“「映画」を面白く”神木隆之介主演『太陽』 film160421_taiyou_7

物語の舞台は21世紀初頭。バイオテロによって世界にはウィルスが蔓延。太陽の下では生きられないが、高い知能と豊かな生活をしている新人類(ノクス)。太陽の下で自由を謳歌しつつも、暮らしは貧しいままの旧人類(キュリオ)。2つの世界で対立しながら生きる2つの人間がどうやって融和していくのか。

『太陽』予告編

監督:入江悠
脚本:入江悠、前川知大
キャスト:神木隆之介、門脇麦、古川雄輝、綾田俊樹、水田航生
上映時間:129分
配給:KADOKAWA

今月のテーマ

「貧しさからくる幸せ」と「豊かさからくる幸せ」
もし自分が映画の中にいたら、キュリオとノクスどちらを選ぶ?

“「映画」を面白く”神木隆之介主演『太陽』 film160421_taiyou_8

今月の話し手

清野精人

岩手県出身。コピーライター/クリエイティブ・ライター/映画ライター。ロンドン、カンヌ、香港、東京国際映画プレス。

ヤング・ポール

栃木県出身。映画監督・TV演出。作品として、日韓共同制作映画『BRAKEMODE』。成田稜主演、フジテレビNEXTオリジナル連続ドラマ『FLASHBACK』。小出恵介主演、フジテレビドラマ『それでも僕は君が好き』(1、2、4夜)など。

有坂塁

東京都出身。移動映画館キノ・イグルー主催者。無人島、美術館、博物館、テントなど様々な所で映画上映を企画。女性誌『Oggi』で、映画コラムを担当。

次ページ:キャッシングして、映画見ていました!