東京を拠点に植生している植物を採取し、保存を目的とした制作活動を行っているフラワーアーティスト・相壁琢人。2015年より植物が未来に繋がる可能性を提示するため、“押し花”をモチーフにさまざまな表現に挑む彼が、4月21日(金)から表参道ROCKETでPressed Flower Exhibition<無彩色の痛点>を開催する。人間と植物の関係性が平等であることを意味する“Botanical Romance”を表現した映像作品を上映するとともに、水中で朽ちていく押し花作品と写真作品を展示。今回の展示を通じて、相壁琢人が表現しようしているものとは? また、フラワーアーティストとして伝えたい花の美しさとは?

Interview:相壁 琢人

【インタビュー】朽ちるさまを“押し花”で表現——フラワーアーティスト・相壁琢人の「無彩色の痛点」 interview_ahiaikabe_0I2A8101d-700x467

——まずはご自身の経歴を遡ってお聞かせいただければと。

もともと学生時代にバンドをやっていて、バンド活動をしながら実家の花の仲卸で働き始めたのが花との最初の関わりです。やっていたバンドがインストルメンタルのバンドだったんですが、花も言葉がないので自分の表現したいことと近いのかなと思って始めました。

——もともと実家が花の仲卸ということで、最初は抵抗がありませんでしたか?

正直ありました。男が花をやるってことに対しても。でもやっていくうちに、しっかり花と向き合っていくとその分返してくれる存在だということに気がついて、徐々に花の魅力に惹かれていきました。

——2008年から2010年まで実家の花屋で働いて、その後、フラワーアーティストの東信氏に師事するわけですが……東さんもバンドをやられていたんですよね?

そうですね。そういう過去も似ていて、作品も共感できる部分が多かったです。実家の花屋を退職する前から履歴書は送っていたんですが、全然返事がなくて。しばらくして「まだ興味があるんだったらやらない?」って連絡があり、それで働かせていただくことになりました。

——そこから独立するまで、けっこうスピーディーですよね。着々とキャリアを重ねている印象ですが。

でも正直退職したタイミングで一度、花の業界を離れようと思ったことがあって、実際、一年ぐらい離れていました。そのときにふと“押し花”という自分の中で触れたことがない花のジャンルがあることに気づいて。そこからもう一度しっかり花に向き合おうと思いました。

——押し花をモチーフにしようと思ったのはそのときからなんですね。

はい。押し花以外の花の表現や価値観は東さんが広げてくれているというのもあって、僕の提示できる世界観や手法を探していたので。