Interview:BROKEN HAZE × tofubeats
【インタビュー】tofubeats × BROKEN HAZE。世代を越えた対談が実現。森高千里、浜崎あゆみとビックネームを相手にした2人の意外な共通点とは? IMG_1781

――お二人は初対面ではないんですよね?

tofubeats はい。でも実は現場でさくっとした挨拶を何度かさせてもらったくらいで。

BROKEN HAZE 実はね。最初に会ったのは、<OUTLOOK FESTIVAL>の時かな。

tofubeats そうです、そうです。あの時はステージも一緒だったので。

BROKEN HAZE そうそう。ちょうどtofubeats、BROKEN HAZEって並びでね。あの日のtofuくんはかなり攻めてたよねー(笑)。

tofubeats はははは。あの日はベースを出すことしか考えていなかったので(笑)。

――実際に会うまで、お互いにどんな印象を持っていましたか?

tofubeats 僕がBROKEN HAZEさんの名前を知ったのは前作の『raid system』(2008年)の時くらいな。だから最近になって現場でご一緒するようになり、『raid system』での作風と最近のライヴ・パフォーマンスの印象がだいぶ違うなって。

――どう違ったんですか?

tofubeats 『raid system』ではエレクトロニカとヒップホップのミックスというか、もっと硬派なビートメイカーという印象を持っていたんですど、新しいアルバム『VITAL ERROR』は、ある意味、全然違うなと。DJでもラスティ(Rustie)とかかけていて、すごく意外な印象がありました。でも新しいアルバムを聴かせてもらって、納得した部分もあって。『VITAL ERROR』を聴くと、メロディとか展開がとても重視されていて、なおかつかなりエモで縦ノリな感じに仕上がっているなって。歳を重ねるごとに、無機質な感じから、どんどんエモーショナルな方向性になっているような気がします。そういう人って周りにあまりいない(笑)。

BROKEN HAZE たしかに(笑)。もう忘れてしまったよくらいの作品だけど、5年前くらいのアルバムは、tofuくんが言う通りでエレクトロニカとヒップホップを混ぜるみたいなことがコンセプトにあって、オウテカだったりプレフューズ73のような方向性に刺激を受けていて、音楽性的にもストイックにビートを聴かせるようなものを作っていたんだよね。叙情感は当時のアルバムにもいれていたつもりだけど、それ以降、より人間味を感じられるメロディやコードへの興味がより強くなってきたんだよね。その後のリミックスやBunkai-keiがリリースしたOut of Dotsコンピレーションに収録されている曲とかは、そういう傾向が強かったかな。

tofubeats 少なくともラスティをかけるイメージはなかったです(笑)。メロディやコードへ興味がシフトしたのは、どこかで転換期のようなものがあったんですか?

BROKEN HAZE 明確な転機のようなものはないけれど、元々、バンドのサウンドにすごく惹かれるというのはあるよね。学生時代はニルヴァーナとかスマッシング・パンプキンズとかアリス・イン・チェインズとかグランジやUSのオルタナが大好きで、その後、DJクラッシュさんやDJシャドウに影響されてアブストラクト(・ヒップホップ)のような音楽にハマって、電子音楽やエレクトロニカへ繋がっていく……みたいな感じで音楽を聴いてきたから、そもそもはロックだったりエモーショナルな音楽は大好きなんだよね。

tofubeats へえ。

BROKEN HAZE 現在って、プログラムができれば楽器を弾けなくても、簡単に音楽を作れてしまう時代だから、だからこそ逆に人間的なものだったり、感情的なものを求めるようになったのかもしれない。だから今回のアルバムに関しては、敢えてクオンタイズ()をかけない曲もあったりする。

※MIDIシーケンサの機能のひとつで演奏データのタイミングのズレを補正する効果

tofubeats なるほど。

BROKEN HAZE 実は『VITAL ERROR』は1年以上前に完成してたんだけどね。

tofubeats そうなんですか!

BROKEN HAZE うん。昨年、フィンランドの〈TOP BILLIN〉から『LIGHTNING FLASH EP』というEPを出すことが決まっていたので、アルバムは少し後ろにズラしてってことで、このタイミングに出すことになったの。出す出す詐欺って言われてました(笑)。

tofubeats はははは。

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