――最近刺激を受けている音楽ってどういう感じですか?

tofubeats たくさんありますよ。トレンドが目まぐるしく変わっていきますけど、だから面白いですよね。今日もさっきSound Cloudで聴いていたボビー・アースってやつがヤバくて。個人的には最近、ラップがまた面白くなってきて。2年前くらいからまたヒップホップが面白いと思ってます。クラウドラップが流行る前に、NYにいる知人から「これ面白いから聴け!」って言って、膨大なメディアファイヤーのリンクが送られてきたんです。その中にデビューする前のメイン・アトラキオンズやメトロ・ズーとかのミックス音源で、200曲くらいばーっと来たんです。で、すぐに直接連絡を取って、服を買ったり……。

――情報収集は主にネットですか?

tofubeats ネットも使うけど、レコードもCDも買いますよ。いまはアーティストがブログを持っているのがいいじゃないですか。Pitchforkとか好きですけど、音もそうですけど、媒体も込みで好きっていうか。

BROKEN HAZE デジタル配信が主流になってきてから、本当にリリースの量がハンパない。到底すべてを追いかけられないですよ。

――そういう中から、どうやってお気に入りの音楽を探すんですか?

BROKEN HAZE 僕の場合は、日本のブロックFMとかイギリスのポッドキャスト、あとベルリンFMにミックスを提供していることもあってか、世界各地からサンプルがけっこうに届くんですよ。それを聴いていると、トレンドが見えてきたりしますし。ある程度は僕の好みや音楽性に基づいて送られてくるので、それはひとつ新しいサウンドや好みの音楽を探す手がかりになりますね。

tofubeats プロモが送られてくるのはいいですねー。

BROKEN HAZE 僕的には初期のころのMyspaceの存在が大きかった。あれで一気にアーティスト同士の繋がりが増えたから。

tofubeats 僕は最初はmixiですね。

――mixi?

tofubeats mixiのミニュニティに集まってくる連中とコミュニケーションしたり、あと2チャンネルも大きかったですね。そういうところで音源の交換ややり取りをしてましたね。あとブログにYouTubeを貼れるようになったのが、ものすごく大きい。僕がいちばんアガったのはMyspaceよりもそこですね。〈Maltine Records〉との出会いも、そもそも〈Maltine Records〉から映像を出していた伊藤くんがブログに僕のブートのリミックスを貼ってくれて、それを僕がアクセス解析して辿って、彼らと繋がりができたんです。僕はアクセス解析して「ありがとう」ってお礼をしにいったんです。

――へー、すごい(笑)。

BROKEN HAZE 僕は音楽を本格的に作り始めたのがすごく遅くて。本気になったのは、大学を卒業してからなんですよ。それまではDJがメインでした。ターンテーブリズムにずっぽりで、寝ても覚めてもスクラッチの日々だった。チーム・ルーティーンで曲を作ったりしてたんです。ビート・ジャンキーズとかスクラッチ・パーヴァーツとかQバートがいたインビジブル・スクラッチ・ピクルズとか大好きで。そんな感じで大学時代を過ごして、でも若い奴らですごい連中がどんどん出てきて、もう若い連中についていくのは無理だと(笑)。そんなタイミングで曲作りをはじめたんです。

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