――BROKEN HAZEさんはtofubeatsさんの新作『Don’t Stop The Music』は聴きましたか?
BROKEN HAZE もちろん。ポップだった、最高だった!
tofubeats ありがとうございます(笑)。
BROKEN HAZE ちゃんとtofubeatsらしさがあるんだよね。ライトなリスナーが聴いても楽しめるし、ちゃんと音楽好きが聴いても納得する作りになっている。tofuくんのすごさってそこだと思う。これを両立させることができるアーティストって本当に稀有だと思う。
tofubeats 恥ずかしい!
BROKEN HAZE いや、本当に。僕も近いことがやりたいからメロディや展開にこだわっているし、さっき名前が出たラスティとかもそうだと思う。もちろん自分の納得のいく音でというのが前提ですけど。そういう意味でtofuくんの作る音楽は本当に素晴らしいバランスでできていると思う。
――お2人の新作を聴いていると、とにかく、多くの人に聴いて欲しい、あるいは心に刺さって欲しいという願いというか、気持ちのようなものをグイグイ感じるんですよね。
BROKEN HAZE ある時期のエクスペリメンタルなサウンドって研ぎ澄まされていて、すごくかっこいいけど、感情に訴えてくるようなものは少なかったと思う。少しでも多くの人に聴いてもらい、何かを感じてもらいたいって気持ちはありますね。
tofubeats 僕の場合は、そもそもネットをベースに音楽を発表してきたので、大前提として反応ありきなんでよね。反応が得られない音楽は作っても意味がないんですよ。作って誰かに聴いてもらってレスをしてもらうのが、自分の音楽表現の意味ですから。
BROKEN HAZE なるほどね。
tofubeats だから作ってすぐに配信できないっていうのは嫌ですね。すぐに感想を聞きたい。今回は作ってから世に出るまで待たなくてはいけないという、自分の音楽史上においてあまりない経験を知られていて、若干ストレスです(笑)。7月にできている曲のリリースを11月まで待つなんて、これまでなかったですから。あと、神戸にそんな音楽が好きなやつなんていないし。J-POPでも作らない限り、クラスメイトに自分の音楽がいいよなんて言われることは永遠にないわけですよ。だから自分の音楽を世に出すためには、最初に東京に投げて、それがある程度受けないと、神戸のタワレコに下りてくることもないんです。そうなるとやっぱ頑張らなきゃいけない。その中で自分の好きなこともやりたいから、B面に好きなリミックスを入れたり、森高さんの曲に303(※)の音を入れたり、いろいろ自分なりに工夫している。僕がたくさん曲を作るのは、とにかく反応を知りたいからなんです。ポイポイポイポイいっぱい投げて、いいねって言ってもらいたい。
※ローランド社から発売されたシンセサイザー・TB-303のこと。
tofubeats “Don’t Stop The Music feat.森高千里”
――いま話にも出ましたが、話題の新曲“Don’t Stop The Music feat.森高千里”では森高さんとコラボしちゃってますね。
BROKEN HAZE もーーーーーーのすごいことだよね!
tofubeats はい。びっくりしました。これはもう、ひとえにワーナーミュージック・ジャパンさん、ありがとうございました!
BROKEN HAZE はははは。しかしこれはどうやって実現したの?
tofubeats 会議でこんな感じで話していて出てきたアイディアが実現しちゃったんです。僕はインディー時代にYUKIさん、フロー・ライダー、小泉今日子さん、ももいろクローバーとか、すでにビッグネームと呼ばれる方々とお仕事をさせていただく機会はあったわけです。で、自分の作品にもAAAの日高光啓さんを呼んだり、普通にやってもメジャーにいったインパクトがでないよねって。で、誰と一緒にやったらスペシャルな感じになるだろうねって議論をしていて。で、ディレクターに「馬鹿だと思って聞いてやるから、言ってみろ」って言われて、森高さんの名前を出したら、本当に聞いてくださいまして。その後、〈アップフロント(※)〉の社長さんにご挨拶に行って、説明をさせていただき、やろうと言って頂いたので、こうやって実現しました。
※森高千里の所属事務所