――今回のアルバムに向けて動き始めたのは、いつ頃のことだったんですか?
マット 『ネイチャー・ナーチャー』が完成してすぐだったよ。その頃既にヴィジョンがあったんだ。僕はすごく沢山曲を書くから、まったく違うタイプのアルバムが出来るような楽曲もたまっていた。でも今回は、ライヴでやって楽しいということを何よりも重視しようと思ったんだよ。むしろ、それに合うものを選んでいったんだ。
――今回プロデューサーを務めたトム(・ダルゲティ:ロイヤル・ブラッド他)も、ライヴ感を意識したと言っていますね。彼の起用もそうした中での選択だったんですか?
マット そうだね。彼とは昔から知り合いだったし、僕らと同じヴィジョンを共有していたんだ。彼は『ネイチャー・ナーチャー』のヘヴィーな曲を共同プロデュースしてくれていたから、彼自身このアルバムをそういうものにしたいという気持ちがあったと思うし。そうやって、同じような興味を分かち合っていた部分があったんだよ。
――スタジオでの作業がどんな様子だったのかを教えてもらうことは出来ますか。
マット 計画通りにいかなかったんだ。初めは1曲ずつ仕上げていきたかったんだけど、マイクがドラムの録音を最初の2日ですべて終えてしまって(笑)。ドラムだけ先にすごくいいものが録れたから、いきなりその計画が変わっていった。でもその演奏にいいエナジーを感じたから、それを続けていこうということで、さらに作業が進んでいったんだ。最初に録音したのが“11:11”や“Friend Of Mine”、“Nothing Personal”が最後に録音した曲だったね。短期間で集中したレコーディングだったから、ほとんど覚えてないんだけどね(笑)。朝方の4時ぐらいまでやって、また朝から作業を始めるような感じだった。
――『ELEVEN ELEVEN』というタイトルは、先行シングルの曲名でもあるわけですが、これはどんな風に決まったものだったんですか?
マット ツアー中に「11:11」という数字を見ることが本当に多かったんだ。
マイク タージ・マハールに行った時も、ガイドさんに「尖塔が11個あって、向こうにも11個あるんですよ」って言われたりとか。
マット 大阪から東京に向かう飛行機のゲートも「11」で、ドアに「11」って書いてあったりだとか、電車のプラットホームでも同じようなことがあったりとか。そういう偶然がすごく重なったんだ。それに、もともと曲名の“11:11”も、メンバーの間で時計を見る時に「11:11」になっていることが多いね、という話から来ているんだ。
――つまり、「11」という数字は、3人で回ってきた(そして今回の楽曲が形になっていった)ツアーでの日々を表わしたものでもあるということですか?
マット うん、そうだよね。でも最初のきっかけは、“11:11”という曲が、僕らにとって新しい興味を反映させたものになって、それを1曲目に持ってくることになったからなんだと思う。この曲が今の僕らなんだと自信を持って言える曲が出来て、それでアルバムの方向性が見えた部分もあったからね。
――なるほど。今回初めて3人でレコーディングをしてみて、これからのバンドについては、どんな可能性を感じていますか。
マット もっとビッグになりたいし、もっとビッグな曲を書けるようになっていきたいね。『ネイチャー・ナーチャー』から『ELEVEN ELEVEN(Japan Edition)』への変化は、僕らにとってとても大きなものだったけれど、同時にそれはとても自然なことのようにも感じているんだ。そして今回初めて自分以外のメンバーと……この2人とアルバムを作ったことで、これからますます作品を作ることができると思えたし、僕らの足場がより確かなものになったような感じがしているよ。
――では最後に、音楽以外のものでも何でも大丈夫なので、3人が今興味を持っていることをそれぞれ教えてもらえますか?
マット すごく退屈な答えなんだけど、僕は曲作りだな(笑)。
ジム 僕はカメラ。前も話したかもしれないけれど、10代の頃からどこに行くにも持ち歩いて写真を撮っているんだ。
マイク 音楽とお酒と、食べもの。僕は料理も大好きなんだ。音楽なら、ケンドリック・ラマーの新作は素晴らしかったね。それからウェーヴスやテイム・インパラの新作だね!
EVENT INFORMATION
Dinosaur Pile-Up JAPAN LIVE 2015
2015.12.10(木)
OPEN 18:00/START 19:00
渋谷CLUB QUATTRO
ADV ¥5,000(1ドリンク別)
RELEASE INFORMATION
[amazonjs asin=”B013EIXFWY” locale=”JP” title=”ELEVEN ELEVEN (Japan Edition)”]
photo by 横山マサト