Interview : Franz Ferdinand (Bob Hardy)

――まずは、4年ぶりの新作『ライト・ソーツ、ライト・ワーズ、ライト・アクション』というアルバム・タイトルに込められた思いを教えてください。

タイトルはアルバム制作の最後の段階で出てきたんだ。だから、元々考えていたものではなくてね。レコーディングを終えた時、みんなでタイトルを考えていたときに今回収録した曲の歌詞から引っ張ろうとなったんだけど、そこで“Right thoughts, Right words, Right action”という言葉がポジティブでエネルギーに満ちていていいなって思ったんだ。その時のバンドの状況を表していたこともあって、この言葉をタイトルにしたんだよ。

――仏教の八正道の中に正思惟/正しい思考・考え方=right view、正語/正しい言葉・話し方=right speech、正業/正しい行動=right actionというタイトルと似たような考え方があるのですが、そこは何かリンクされているのですか?

そう! そうなんだよ!  お坊さんや修道士から見る人生ってものにすごく興味があったんだよね。それで、色々調べて行くうちにそういった考え方は音楽や何か物を作る上でも生かせると思ったんだ。僕らなりの解釈をして、今回音楽を通して仏教の考え方を表現したってわけさ。

――先程、タイトルは作品の歌詞の中からポジティブなワードをピックアップしたとおっしゃっていましたが、今作の詩の部分において、“別れ”や“後悔”、“反省”というテーマが印象として浮き上がって来ました。そういった世界観はどこから生まれてきたのですか?

僕らの曲には常にメランコリーな要素が含まれているからね。個人的にも車の中1人で歌えるようなメランコリーな曲が大好きなんだ。“世界の終わり”のような壮大なテーマを掲げた、そんな曲がね(笑)。あと今作で大きなテーマを描きたかったというのもあったんだ。“The Universe Expanded”っていう曲なんかは失恋の曲なんだけど、宇宙の要素を取り入れているんだ。自分のちっぽけな人生の出来事とは一見、無関係に思える宇宙の壮大な事象が同じ文脈にあるというアイディアが面白いと思ってね。