――今月の初めロンドンで行われた、べックのプロジェクト「Song Reader()」にバンドとして参加されていましたが、いかがでした? 

最高だったよ! ベックが作った曲を何曲かリハーサルしていた時にはまだベック本人には会えてなくて、ショウの当日にようやく会えた時は最高の気分だったね。とても愛らしい人だったし、ラインナップも最高だったしね。ジャーヴィス・コッカーやシャルロット・ゲンスブール、ジェームス・ヨークストンだったりね。みんなで最後演奏したときは素晴らしかったね。最高の夜だったよ。

Song Reader
ベックが180ページにも及ぶ、楽譜だけの作品を発表し、それらの楽曲を他のアーティストが演奏するというプロジェクト。

――「Song Reader」だけでなく、今後も音楽を表現するのに、色々な形がもっと出てくれば面白いなと思うのですが、フランツ・フェルディナンドというバンドをやっていく中で野望や夢はありますか? 

僕らは特に先の計画を立てようってことはしないんだ。今はちょうどレコーディングを終えたって時でツアーをやることしか頭にはないんだ。というのもというのも、僕らは毎日日記をつけて、それを振り返って今後どうするかを考えるタイプじゃないし(笑)、そういったことがあまり好きじゃないんだよ。だけどツアーをやっていく中で何か面白いコラボレーションを次やれたらいいなとは思っているよ。形式ばったものじゃなくてね。

――自分自身の目標や夢はいかがですか?

うーん、とりあえずはツアーを周ることだよ(笑)。たくさんやりたいことはあるんだけどね。今はレコーディングを終えて、フランツ・フェルディナンドのメンバーだからね。

――話は変わりますが、先日レディオヘッドのトム・ヨークとナイジェル・ゴドリッチがSpotify()を真っ向から否定するというニュースがありました。一リスナーとしてどういった形で音楽を聞いていきたいですか? また、バンドの一員として今後どうやって音楽を聞かれていきたいですか?

個人的には“物”として存在するものが好きなんだ。具体的にいうとCDはプラスティックですぐ割れるからあまり好きじゃなくて、レコードが好きなんだよ。Spotifyは素晴らしいと思っているよ。なんでかっていうと、音楽ファンとして、いつでもどこでも聞きたい音楽が聞けるというのが嬉しいからね。自分が10代の時にあったら人生変わっていたと思うんだ(笑)。バンドとしてだけど・・・僕が意見を述べることはできないよ。バンドの中で僕だけがそういった簡単に音楽を聞けるシステムを素晴らしいと思っているからね。実際のところ、CDやレコードの売り上げを気にしなくなってきてはいるんだ。悲しいことにね。

Spotify
2006年にスウェーデンで発足した音楽ストリーミング配信サービス。欧米諸国を始めとした計13カ国で現在普及している。

――では、10代の時はレコードで音楽を聞かれていたのですか?

そうだね。でも、すごく高かったんだ。19歳の時は1枚のアルバムで約15ポンドだったからね。お金のない若い時だから1ヶ月のスパンでレコードを買う計画を立てなきゃいけないんだ(笑)。やっとの思いで買ったアルバムを何度も何度も聞いてね。僕らはレコードを買う余裕なんてなかったから、本当にいまの世代の子がうらやましいんだ。そんな時代に生きていた僕からすれば、Spotifyって、狂っているし、夢のようなものなんだよ(笑)。

――最後になりますが、今作を聴いて、すごくライブが楽しみになりました! 11月のジャパン・ツアーはどんなものになるでしょうか?

ありがとう! 既に何曲かはライブで披露しているんだけど、すごく反応がいいんだ。日本で演奏するのが待ちきれないよ。いつも日本に来るとちょっとクレイジーな部分もあって(笑)、最高に楽しいからね。すごく楽しみにしてるよ。

Interviewed by Taisuke Yamada
通訳:野村佳子

Release Information

2013.08.21 on sale!(日本先行発売)
Artist:Franz Ferdinand(フランツ・フェルディナンド)
Title:Right Thoughts, Right Words, Right Action(Deluxe Edition)(ライト・ソーツ、ライト・ワーズ、ライト・アクション(デラックス・エディション))
DOMINO/HOSTESS
HSE-10133
¥2,980(tax incl.)
※初回生産限定盤 デラックス・エディションはボーナスCD付2枚組
※日本盤のみボーナス・トラック2曲収録。歌詞対訳、ライナーノーツ付

Keyword

Published on

Last modified on

New Articles