――今作は特に後半そのような楽曲が並んでいる印象を受けました。悲しみを乗り越えて、その先に待っている明るい未来に向かう前向きな気持ちが芽生える曲が多いような……。
緑川 シングル曲も、こうしてアルバムの中で聴くと、曲順やアルバムのストーリーも含めて、また違った聴こえ方をするでしょうからね。そういった面では、既に各楽曲を知っている方でも、アルバムならではの新鮮さを各楽曲から感じてもらえると思います。
愛刃健水(以下、愛刃) それらシングル曲以外の新曲も、これまでの自分たちには無かったタイプの曲たちばかりだし。振り付けにしても、かっこいいんだけど、ファンの人たちも一緒に踊れるようになっているんで、ライヴでも楽しみが多いのも今作の特徴かなと。
――分かります。今作はこれまで以上に、聴く方の門戸や間口が広がった印象があります。
赤園 自分たちでもそれは感じていて。これまでの自分たちを大きく3つに分けるとしたら、「俺たちは男だぜ!」といったニュアンスが前面に表れている初期。女の子に向けた、「風男塾はイケメンだぜ」みたいなキュンキュンさせるような要素が前面に表れている中間時期。そして今は、幅広く色々な方に風男塾を知ってもらい親しんでもらえる、そんな時期でもあるんです。
――特に今回は、男女問わずの友情や繋がり、大きな愛みたいなものを強く感じました。いわゆるテーマも今まで以上に幅広く、普遍的なものに変わってきたと言うか……。
赤園 男装というと取っつきにくいところもあるかもしれませんが、それさえ気にならないほどの親密感。
――今回はメンバー同士もですが、聴いている方やファンの方も含め、凄く繋がりや一緒感を感じました。以前の、「俺」と「お前」の間柄から、もっと多くの人や複数の人とも共有出来る曲が増えたかなと。
愛刃 今回のインストアでも、みなさんで一緒に楽しんでもらっている光景をよく見ますからね。振り付けにしても。その辺りは成功かなと。
仮屋世 そうそう。円を作って楽しんでくれていたり。肩を組んだり……。そういった楽しさの共有は、ステージの上から見ていても凄く感じます。嬉しいですよね。
青明寺 ファン同士の仲間感も更に強くなった印象があります。みんなが一つになって応援している感じが凄くしていて。もちろんそこには、”もうすぐ狂クンも最後なので仲間で見送ってあげたい!!”みたいな気持ちも多分にあるんでしょうが。
――前作アルバムまでは、愛情一辺倒だったところも、今作は男女問わず、友情みたいなところも随所に見え隠れしています。
赤園 まさにそこです!! 作品の流れ的に、男→愛ときて、今回は友情、みたいな。
愛刃 『少年ジャンプ』のような流れ(笑)。
青明寺 なので今は言うなれば「友情タ-ム」と。そして、これからは『少年ジャンプ』の持つ世界観を見習い、より幅広い人に親しんでもらえるユニットを目指します(笑)。
仮屋世 スタイルはこのままで、もっと男装のシェアを広げていきながら、みんなが自然に好きになってもらえるよう頑張っていきたいんです。
――これまで以上に楽曲の幅も広がった印象のある今作ですが、聴きどころを教えて下さい。
青明寺 これまでの作品中で最もメンバーの入れ替わりの激しいアルバムでもあったんで、色々な時代の色々な声が聴けるところかな。同じメンバーでも2年の間で成長して、色々な声が聴けますからね。
赤園 “Fighting Man”は映画のストーリーのような雰囲気のある楽曲で、ダンスもかなりハードに踊るんで、ライヴでも楽しみにしていて下さい。
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