風男塾が、それぞれの胸に秘めていた「節目の心境」を語る

――4月5日には、いよいよ緑川さんが卒業してしまわれるわけですが。

仮屋世　狂平クンにはホント色々と教わりましたからね。“これからどうしたらいいのか……”と途方に暮れるのと同時に、”俺もしっかりしなくちゃ!!”という気持ちも芽生えています。

赤園　ずっと一緒にやってきたし、ライヴでも作品でも、その存在感は凄いものがありましたからね。ホント、これからの不在は想像出来ません。正直まだ不安の方が大きいです。

青明寺　最近は目まぐるしく活動していることもあり、その事をあえて考えず、棚に上げてきたところもありましたが、いよいよ来ちゃうんですね、その日が。そう考えると急に寂しくなっちゃうし、まだ実感したくないというのが本音です。

愛刃　俺、狂平クンの代役が出来ないか、と、先日マネをしてみたんですが、やはりダメでした。これからは寂しいけど、それ以外の色で勝負していかなくちゃと。

瀬斗　この喪失感はなんなんでしょう。アニメの最終回が近づいてくるような……。卒業してもライヴのユニゾンやレコーディングの時だけでも来てくれないかな……。

――それを受けて当の緑川さん的にはいかがですか？

緑川　歌うことが好きだったし、これまで歌詞の一つ一つに思いを込めて歌ってきたので、それがメンバーに伝わってくれていて嬉しいですね。あと、キチンと形になっていたんだなと。まっ、惜しまれながら辞めていくのが華ですから。桜って散り際まで美しいじゃないですか。そんな桜のような最後を魅せられたらなと。

赤園　ねっ、狂平クンって知的な表現をするでしょ？　こんな表現が出来るメンバーが居なくなっちゃうんです。

青明寺　ホント、風男塾で賢い人が一人もいなくなっちゃう（笑）。それも不安だな。新メンバーには、その知的な部分も是非担ってもらわないと。

――緑川さんと一緒に過ごしてきた日々で何か印象深いエピソードはありますか？

瀬斗　俺は狂平クンに握手の仕方を学びました。優しいし、キチンと次のメンバーに移るまでずっと離さないんですよ、お客さんの手を。しかも見上げる目線に、このルックスじゃないですか。これはズルいと。”そりゃ、ファンはたまらないし、みんな狂平クンのことが好きになるよ！！”って。申し訳ありませんが、その握手の秘訣に気づいてからは、何気にパクらせてもらっています（笑）。

緑川　風男塾は他のアイドルグループにはないものを沢山持っていて、素敵なところばかりなんです。だから長い間、自分も続けることが出来たし、そこに自分も居たいという気持ちをずっと持ち続けていられたと思うんです。自分はきっと辞めてからも、ずっとこのユニットのファンであり続けるんでしょうね。まっ、自分は最初から風男塾に居たんで、実は一度も外からこのグループを見たことがなかったんです。だけど卒業以降は、ようやく外からみんなをお客さんとして観れるんだなって。今は、「ずっと観たかったユニットのライヴをようやく観れる」、そんな嬉しい気持ちでいっぱいです。

――で、4月30日（土）からは、新メンバーを迎えてのライヴツアー＜風男塾LIVE 2016～STARTING STAR～＞が始まります。

赤園　残念ながら狂平クンは卒業してしまいますが、新メンバーを迎えて新生風男塾の第一歩の大事なツアーです。その出発も含めて一緒に祝って欲しいなと。風男塾の良さって、さらけ出して、一緒に叫べるところでもあるので、是非心から一緒に叫びにみなさん各会場に足を運んで下さい。

愛刃　今回はニューアルバムを引っ提げてのツアーなので、アルバムから感じてもらった、幅広い人に伝わる楽曲を多く披露する予定なので、是非これまで自分たちを見たことがなかったり、ちょっとしたイメージを持っている人も、そのイメージを捨てて楽しみに来て欲しいです。

仮屋世　男装して熱いことを歌ったり、女性に向けての歌を歌うアイドルグループって他に無いので、是非ステージを通して熱い思いをみなさんに届けたいです。

――では、これからの風男塾を、緑川さんも含めファンやこれからのファンにアピールして下さい。

瀬斗　自分たちの武器は男装なので、その文化を武器に日本のみならず海外でも活躍出来るようにパフォーマンスをこれからも精進していきたいです。

青明寺　これまでもメンバーチェンジを重ねることで、この風男塾はどんどん成長していったところもあったので、もちろん狂平クンという存在がいなくなることは残念で大きな損失ですが、新しいメンバーが入った2016年の風男塾は、その狂平クンにも、「今の風男塾の方がいいね」や、ファンの方々からも、「また成長したね」と言ってもらえる、そんなステージやグループを目指していきます。

愛刃　今の風男塾はそれこそ今しかないので、ファンの方も、”観に行けば良かった！！”とあとあと後悔して欲しくないし、自分たちも悔いの残るライヴは絶対にしないことを、ここで約束するので、お互い後悔しないように会場で楽しみ合いましょう！！

――では、逆に緑川さんからは、お客さんから見た風男塾の今回のツアーの見所を教えて下さい。

緑川　客席からだと、きっと、“誰を見ていたらいいんだろう？”と思っちゃうぐらいみんな個性に溢れていて、たぶん目で追うのも忙しいと思います。でも、これだけ各個人のキャラもしっかりしているんで、女の子だったら”彼氏にするならこんな人”と、想像してドキドキするのもいいし、男性だったら、男らしい曲も沢山あって、共感できる部分も非常にあるので、「新しい男装女子萌え」を是非芽生えさせてみてはいかがでしょうか（笑）。

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photo by Taio Konishi