——では、次はお互いから見たアメリカと日本のロックシーンの違いについて感じていることを聞かせてください。特にGalileoはUSインディに対する憧憬がすごくあると思うんですが。

雄貴 そうですね。日本の音楽との状況の違いとかに関しては、僕らにとってはすごく大きなことだったんですけど、今回、制作の合間にご飯を食べながらとか、クリスとそういう話をしていると案外、そのことに対しては反応薄かったりして、それよりはサウンドそのもののことの方が反応があったというか。それで、日本のバンドとアメリカのバンドっていう感じではなくて、ホントに僕らとクリストファー・チュウっていうコラボレーションとして来てくれてるんだなっていうのを感じたんで、俺の中でそれまで考えてたことがあんまり重要じゃなくなっていったんですよ。今まではアメリカとは違うんだって、変な話、強い嫉妬みたいなものもあったし、「もう追いつけないんだろうな」って気持ちもあったんですけど、今は違いとかが逆にわかんなくなってきてるというか。もちろん違うんだけど、同じミュージシャンとして真面目にやって、いいところを活かして、外の人たちと繋がりながらやっていくことによって音楽を作って行けるんだってことはもうわかったからなんですけどね。

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——今考えて見ると雄貴さんの、その嫉妬の正体って何だったと思いますか?

雄貴 なんだったんですかね? そことは違うかもしれないけど、例えばクリスがスタジオで曲を弾き語ってたりするんですよ。「ご飯どうします〜?」みたいな話してるときにポロンポロン〜って弾いて、歌ってて。それがカバーなのか自分の曲なのかわかんなかったんですけど、そういうのがすごく良くて。ソングライターとして「そこだよな」と思ったというか。そういう何気ないことから刺激をもらっていたので、それは面白かった。実際みんなで一緒に歌ったりした曲もあるし、そういうやりとりをすることによって、今まで持ってた嫉妬や、多分諦めでもあったし、あと日本のバンドという甘えもあったと思っていて。クリスはそんなに深く考えてなかったかもしれないけど(笑)、俺らはクリスとのやりとりでクリスが思ってるよりたくさんのことを学べたし、嫉妬は吹っ飛んだんで感謝してるんですよ。

クリス 僕も同じように感じてるし、すごく嬉しい。国の違う人たちと仕事することってあんまりないことだから。その、他のバンドへのジェラシーって、すごくわかることで、状況や人気の面だったりすることもあるんだけど、そんなことより僕はスタジオで音を作るにあたっては、作っていくことによって得られる喜びや満足感みたいなものが重要だと思うし、思いがけずいいものができたとき、それを一緒に作ったっていう思いを共有できたときがすごくうれしいんだ。もちろん、ライブをやったりファンと会ったりするのもうれしいんだけど、結局のところミュージシャンとしてはベストな音楽を作るってことが目的だし、今回は彼らと音楽で繋がれた。それが音楽を作る理由のひとつじゃないかな。