“いい時も悪い時も……音楽が、そこにあったっていうか。”
――では今回のプレイリストの楽曲について、選んだ理由や曲との思い出を順番に聞かせてください。まずはtofubeatsさんの“水星 feat,オノマトペ大臣”から。
友達から「平成でやばいやつが出てきた」という連絡を受けまして、聴いてびっくりしたんです。この曲を作ったのが高校生の頃だったというのにも衝撃を受けたし、インターネットでリリースしているという平成生まれながらの感覚もすごいなと思って。ひとりで地方で音楽を作っていて、「誰も『いいね』なんて言ってくれないけど作ってた」とTVで仰っているのを見て、そのスタンスもかっこいいと思いました。クラブで踊りつかれた後にこの曲が流れたら、ピーチツリー・フィズ片手に聴きたいですね。「ナウでヤングな」世代の刺激も受けているんです(笑)。
tofubeats – “水星 feat,オノマトペ大臣”視聴はコチラ(スマホ専用サイト)
――本田美奈子さんの“1986年のマリリン”はどうですか?
小学校3年生ぐらいの時に初めて観た時に、ヘソ出しルックですごく腰を振っていて、その挑発的な感じが女性としてかっこよく見えたというか。私は当時バレーボールをやっていて、スポーツ刈りだったんです。だから住んでいた団地のベランダで、ゴムのスカートを頭につけて、振り乱しながら「マリリ~ン♪」って歌っていました。兄には「頼むからやめてくれ」って言われましたけどね(笑)。1階だったんで。
本田美奈子– “1986年のマリリン”視聴はコチラ(スマホ専用サイト)
――近所の人たちに丸見えですね(笑)。
でも、私が今表現している動きも、(キメポーズのひとつでもある)ガッツポーズを含めて美奈子さんから取り入れているところが沢山あるんです。「バブリー美奈子」という名前もそうなんですよ。本当にかっこよくて大好きですね。次のマイケル・ジャクソンは母親がファンで、私がお腹の中にいた時からマイケルの曲を聴かせていたみたいで。一緒にコンサートに行ったりもして、思春期に思い切り影響を受けたので、ネタの動きの中にもひっそりリスペクトを込めています(笑)。“Love Never Felt So Good”は亡くなった後に出た未発表曲ですけど、ファンにとってはまた会えたような気持ちになれるものですよね。
マイケル・ジャクソン– “Love Never Felt So Good”視聴はコチラ(スマホ専用サイト)
――平野さんは、本当に音楽が詳しい方なんですね。
いやいや、全然詳しくないですよ。基本的に「浅く広く」なんで。(突然キメ顔になって、アンニュイな表情を浮かべながら)ただ、「いい時も悪い時も……音楽が、そこにあったっていうか」。
――(笑)。三浦大知さんの音楽との出会いはどんなものだったんですか?
これは忘れもしない、15年の7月8日。『水曜歌謡祭』で一青窈さんとデュエットしているのを目撃して、そこで雷が落ちたような衝撃を受けたんです。リズムの取り方や歌い方だけで「絶対ダンスも上手いな」というのが分かるぐらい三浦大知がほとばしっていて。マイケル・ジャクソン以来の衝撃だと思っていたら、三浦さんもマイケルに影響されていたんです、それで私、単独ライブやラジオで、三浦さんのすごさを喋りまくっていたんですよ。そうしたらなんと、去年の中野サンプラザ公演に招待していただいたんです。当日のライブを観て感動して、泣いちゃって……もうなんか、「生きたい!」って思いましたね。
三浦大知– “SING OUT LOUD”視聴はコチラ(スマホ専用サイト)
――「生きたい」ですか(笑)。業種は違っても、人前に立ってエンターテインメントを提供する人として通じる部分があるのかもしれません。
エンターテインメントって、やっぱり素晴らしいなぁと。ライブ後、(元AKB48の)倉持明日香ちゃんと一緒に挨拶に向かったんですけど、私は緊張して何も言えないのに、明日香ちゃんが「かっこよかったです!」ってスッと言うわけですよ(笑)。一方私は「今日のことも、ぜひラジオで感想をしゃべってください。」って言われて、ただ「はぁぁぁい」みたいな(笑)。自分が有名になったら、『今会いたい人』として出てほしいです。
“私はインターネットでいい曲を探す日を作ったり、タワー・レコードに行って色々聴いてみたりと、好きな音楽をアップデートしているんです”
――次の荻野目洋子さんは、平野さんのネタにも出てきますね。
自分の中では、勝手に「私が歌っている」と思っているぐらい、色々と使わせていただいている曲ですね。「荻野目ちゃんダンス」って、世代を越えてみんながやってくれるんですよ。あと、本田美奈子さんがアツくガンガン踊るのに対して、荻野目さんって涼しい顔して踊るじゃないですか? その雰囲気がお洒落だし、ショートカットがすごく素敵だと思います。次の曲は、沖縄の“七月エイサー(しちがちエイサー)”。母親が沖縄出身で、「夏と言えば沖縄」という感じで、どこよりも沖縄の海が好きなんです。有名なアーティストがカヴァーしたものよりも、おじいとおばあが三線を演奏したり、太鼓を叩いている曲が好きですね。それに沖縄は、自分の初心に帰れる場所でもあるんですよ。私がお笑いをやろうと思ったのは31歳で、4年同棲していた彼氏とお別れしてはじめたんですが、最初彼氏に反対された時に、一人で沖縄をぶらぶらしに行ったんです。その時に古宇利島の綺麗な橋の上で海を見ながら、「こんなところに来てもやりたいんだから、絶対にお笑いをやろう。」と思ったんですよ。帰ってから、備えとして彼にTVなどを買わせまして。めぼしいものは全部私が持って帰ってお笑いを始めたんです(笑)。
荻野目洋子– “ダンシング・ヒーロー”視聴はコチラ(スマホ専用サイト)
知名定男/徳原清文/前川守賢– “七月エイサー(沖縄)”視聴はコチラ(スマホ専用サイト)
――(笑)。次がフレンチ・エレクトロ・アーティスト、ブレイクボットの“Baby I’m Yours”。この曲を平野さんが知っているということにまずは驚きました。
私はインターネットでいい曲を探す日を作ったり、タワー・レコードに行って色々聴いてみたりと、好きな音楽をアップデートしているんです。これはその時に見つけた曲。ピアノの感じに古き良き魅力だけてはなく新しさも感じたんですよ。今日(取材当日)日本でライブがあるのも知っていますよ! 続くヴァネッサ・カールトンは24歳の頃ラーメン屋でバイトのチーフをしていた時に有線で流れて、「なんて素晴らしい曲なんだ!」と思った曲ですね。ラーメン屋の熱い感じとは正反対の涼し気なピアノで(笑)。心が洗われるというか、この曲を聴くと「悪いことはできないな」って思っちゃいますね。
Breakbot– “Baby I’m Yours (feat.Irfane)”視聴はコチラ(スマホ専用サイト)
Vanessa Carlton– “A Thousand Miles (Album Version)”視聴はコチラ(スマホ専用サイト)
――そして次は、ふかわさんがやられているロケットマンの曲。
榊原さん(榊原香保里:Lampのメンバー)の歌声が素晴らしいですよね。女の中の女みたいな、「男はみんな好きだよね……!」という声で、メイクしたり支度する時にもよく聴いています。私はバレーボールのチームで毎日声出ししていたので声がハスキーになってしまって、それがコンプレックスなんですよ。だからこんな声に憧れますね。あと、1分20秒ごろまで榊原さんが歌わないんですよね。相当引っ張って「やっと来た!」という感じで、「流石、ふかわさんはプロデューサーだな」と思いました。
ROCKETMAN feat. Kaori Sakakibara (Lamp)– “color of nothing”視聴はコチラ(スマホ専用サイト)
――そして最後は2パックですが、これも意外なセレクションでした。
2パック– “LIFE GOES ON”視聴はコチラ(スマホ専用サイト)
ヒップホップはすごく好きなんです。兄がヒップホップ好きだったり、私もダンスをやっていた時期があったので。この曲は18歳の頃合コンをした時に、相手が丘サーファーで……。
――丘サーファーと合コンしたんですか(笑)。
サーファーだと思ったら丘サーファーで(笑)。そのグループで海に行くことになっていい感じになったんですけど、結局私はフラれて。その後彼がサーフィンしている間クルマの中で待っている時に流れていた曲です。この曲を聴きながら、「絶対綺麗になってやる」って思ったんですよ。懐かしいですね(笑)。
――平野さんはバブリーなメイクをしていますが、素顔は美人な方だと噂ですよね。
(真顔で)あ、それは噂じゃなくて、ほんとなんです。
――(笑)。
素顔はSuperflyさんに似ているとよく言われるので、一度それを生かして「スーパーノンフライというキャラクターで「花束あげたろか!」(Superflyの“愛をこめて花束を”へのオマージュ)というネタをやったら、全然ウケなかったんですけどね(笑)。
――今回、シングルのタイトルが“OK!バブリー!!”なので、「オ」「ケ」「バ」「ブ」「リ」でバブリー50音をやっていただくことは出来ますか?
もちろん!
――では最初に……「オ」!
おったまげ~! あぶデカダビングするの忘れたぁ~。ゲロゲロ~!
――「ケ」!
けつかっちんだから、お先にドロンしま~ぁす!
――「バ」!
バッときて、バッと帰ったわよね、あの醤油顔の男!
――次が「ブ」!
ぶっ飛び! ウーパールーパー脱走しちゃった。
――ラストは「リ」!
RIKACO~。ずれてるぞっ、肩パット。
――ありがとうございました(笑)。最後に、“OK!バブリー!!”のリリースに向けて、リスナーの人たちへのメッセージをお願いします。
日本代表として、景気を上げるという使命感のもとにやっているので、歌うもよし、踊るもよし、みんなで頭を空っぽにしてノリノリのイケイケで歌って踊ってほしいですね。ロケットマンのプロデュース能力も右肩上がりですよ!
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photo by Kohichi Ogasahara