川崎と聞いて世の中のひとたちが思い浮かべる、“治安が悪い”、“性風俗街”、“空気汚染”……etc。そんな悪いイメージを持つひとも多いと思うが、実は川崎には、音楽やダンス、カフェ、ファッションなど、そこでしか体験できないさまざまなカルチャーが根付いている。川崎のネガティブなイメージを払拭し本当の魅力をより多くのひとに伝えるべく、川崎育ちの川崎っ子であり今なお川崎に夢中で川崎を愛してやまないQetic編集部・BOWENが、川崎在住ならではの視点で川崎カルチャーを紹介していく本企画。

第二弾の今回は、<ダンス×川崎>と題し、川崎で活躍する有名ダンス・パフォーマンス集団KING OF SWAGの代表Deeへのインタビューを敢行。日本各地のダンサー、さらには海外アーティストのクリス・ブラウンまでも魅了し常に注目を集め続ける彼らが、生まれ育った川崎で、再復活し活動を続ける理由について伺った。

Deeが語る、KING OF SWAGの魅力とは?

——まず初めに気になったのが、KING OF SWAG(以下、KING)という名前なのですが、由来はなんですか?

“swag”はアメリカの言葉で、日本語で言うと「やばい」「かっこいい」とか、そういった意味。その言葉が流行る前に“swag”をチーム名に入れたダンスチームを作ろうと決めていて、そこから“KING OF SWAG”になったっていう、単純な決め方だね。

クリス・ブラウンやBADHOP・EXILEとも親交が厚い?川崎発のダンス集団・KING OF SWAGとは?代表Deeへインタビュー! king-2-1200x799

——STUDIO SWAG(以下、スタジオ)というスタジオもやっていらっしゃるとお聞きしましたが。そこにいたメンバーでKING OF SWAGが結成されたということですか?

そうですね。もちろん弟や一緒にずっとやってきたメンバーが何人かはいるけど、他のメンバーはスタジオのレッスンに来た人とか、外でいい活動している人を呼んだりして集めていったのが、今のKINGのメンバー。集めている最中に踊るメンバーが9人揃った感じかな。今後いい人がいれば増えるかもしれない。今は練習生ってかたちで自分たちの側にいる子がいるんだけど、彼らがだんだん良くなっていったら、ゆくゆくは、KINGになるだろうし。

——KING OF SWAGが川崎にこだわり、川崎を拠点に活動しているのはなぜですか?

一言で言うと、生まれも育ちも川崎で地元だから。親も川崎でお爺ちゃんも川崎で、みんな川崎の中学校だし。親が川崎を大事にしていたから自分達も大事にしたいと思っている。

あとは、母さんがすごい厳しくて、自分の「ダンサーとしての価値」だったり、「ダンサーとしてこうであるべきだ」って考え方のところまで厳しくて。そういった考え方を今も貫いてKINGで形になった。だから川崎でやっている。

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——川崎のHIPHOPシーンでは、他にもBADHOPさんも有名ですが、そのBADHOPさんとも交流はあったりしますか?また、あれば、どのような交流か教えてください。

もちろんBADHOPは同じ川崎だし、ユウセイが同級生だし、普通にご飯を食べ行ったりするね。去年、一昨年ぐらいは自分達のイベントに出てくれたりとか、普通に飲み行ったりしていたけど、最近は、ライブだったりとかで忙しいからあんまり会っていないかな。全然会ったら会ったで仲がいいですね。

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——クリス・ブラウンさんとの交流があると聞きましたが、どのように繋がったのですか?

二年前の一月にマネージャーと話をしていて、今年の目標は「クリス・ブラウンに会う!」ということに決めて。目標を立ててから四ヶ月ぐらいで、まずはインスタグラムでフォローされて「いいね!」が来るようになってから半年後に直接会って、ファミリーって呼び合う関係までになった。「半年で叶っちゃったよ」みたいな。クリス・ブラウンの曲で撮った映像をインスタに投稿したらクリスもリポストしてくれたりといった交流は未だにあるよ。

クリス・ブラウンの家に行って一緒にご飯食べたり、遊んだりもしたし。本当の目標はKINGとクリスで仕事をするってところまで持って行きたかったんだけど、そこまでは持っていけてない。だけど、それはこれから叶えます。

これは、まだオフレコなんだけど、来年は海外で大きな仕事を予定していて。まずは、自分たちが世界に行かないと川崎を世界に持っていけないと思ってるよ。

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——2015年に解散を発表し、その1年後に再結成し復活した経緯とは?

アメリカの<Body Rock>っていうコンテストの時、KINGはエントリーに間に合わず、コンテスト枠では出れずにエキシビジョンで踊ったことがあって。そこの<Body Rock>にゲストで出演していた、地元サンディエゴ出身のジャバウォーキーズ(Jabbawockeez)っていう白い仮面を被った世界的に有名なダンスクルーがいるんだけど。

彼らはいろんなアーティストのPVで踊ったりラスベガスでショーを持っていたり、ダンサーのクルーとしては、NO.1ぐらいでアーティストのラインにいる。

その時初めてジャバウォーキーズを生で見て、「うわぁっ、これが世界か」って思った。その時のKINGはまだ、世界に行けないと思っていて。それでどうしようかと思った時に、自分含め全員が個々のレベルをあげないと、世界に行けないと思って、それで解散した。

解散した後は、零(ゼロ)っていうチーム作ったりとかタイキが、ヤバイメンズっていうチーム作ったりとか、みんな個々で一年間頑張って「おっ、これだったら世界に行けるかも」と思ったし、早くKINGに戻りたくて自分が我慢できずに復活して。


KINGを応援してくれていた人たちとかは「誰かEXILEに入るの?」「仲が悪くなったの?」とかいろいろ注目していてくれたけど、実際は上の世界へ行くための準備期間だったんです。あの一年は今思えば、すごく正解だった。