清 竜人25(以下、25)が6月17日(土)に幕張メッセイベントホールにて行う<清 竜人25“ラスト♡コンサート”>を以て解散する。
過去、ここまで良い意味で真摯にやり散らかし、楽しみ尽くし、多幸感と大団円感を残し散るユニットが、この日本にいただろうか? いやー、まことに痛快にして爽快だ!
「日本初の一夫多妻制のアイドルユニット」を標榜し、そのコンセプトと楽曲クオリティで、群雄割拠なアイドルグループ戦国時代に、別路線が故の確固たる地位を築いた感もある彼ら。清廉さや処女性、恋愛禁止がコモンセンスとするアイドル文化の中、あえて“ハーレム系アイドルユニット”というコンセプトの斬新さとアイデア、疑似恋愛や疑似結婚を体感できるかのような贅の極みとも言える多幸感やスイートさを感受者に与えたことは、誠に称賛に値する。
3年に渡る活動と2枚のアルバムにて、もはや伝説を残した25。やりたいことを好き勝手にやり散らかし、ポイッと次の興味の対象への移行とも取れる、清々しささえ覚える今回のこの一連のプロセスも大変興味深い。
25を終焉させるにあたっての竜人の決断の経緯や心境。彼にとって25はどのような存在だったのか? これまでを振り返ってもらいつつ、とても解散を前提とした盤とは思えない作風となったニューアルバム『WIFE』について、そしてこれからの竜人や夫人たちについてを問いた。
Interview:清 竜人25
「25は元々ある程度の期限をもって解散することを前提に開始したグループだった」(清 竜人)
——まずはこのユニットを終焉させるに至った思いからお聞かせ下さい。
竜人 始めて約3年ぐらい経つのかな。実際のところ自分でもよく3年も保ったなって心境でもあるんです。それこそ急遽思い立ったわけではなく、元々ある程度の期限を以て解散することを前提に開始したグループでしたからね。
——計画的な解散だったと。ちなみにその予定していた期間と言うのは?
竜人 1年の間にアルバムを1枚出して終えるつもりでした。なので今はそこから期間延長している感じで。おかげさまで逆に解散に向けて長い準備期間が取れてます。
——その予想外に長く続けられた要因って何だったんでしょう?
竜人 色々な要因がありますよ。やっていて楽しくなってきたというのも理由の一つだし。あとはお客さんやリスナーの方ももう少し観たいし、聴きたいだろうというのもあったし。やっているうちに、もう一枚ぐらいはアルバムが出せる余力のあるグループだと確信したところもあったし。
——予想以上に夫人たちにポテンシャルがあったと?
竜人 もちろんそれもですけど、やっていくうちにこのグループ自体に可能性を感じだしたからです。予想以上に余白の部分があって。やっていくうちに更なるアイデアが思いついたり、やってみたいことが浮かんできたり。それもあり気づけばここまで続けてました。
「終わりたくない気持ちでいっぱいな反面、一番いいところで終われるとも思っています」(清 咲乃)
「この3年間、充分に楽しみ尽くしたので、とても満足しています。非常にやり切りました」(清 美咲)
——ご夫人たちは解散を告げられた際に、どんなことが胸に去来しましたか?
咲乃 「解散する」と告げられたのは、去年の6月ぐらいでした。1stアルバムを出した直後ぐらいなので、1年ほど前です。最初から「1年ぐらいの期間だ」と言われてはいましたが、やっていくうちに、やはりもったいなさも出てきちゃって。それこそ今は終わりたくない気持ちでいっぱいです。だけど、逆に一番いいところで終われるのかもと思っていて。
——いわゆるピークで終われる、みたいな。
咲乃 そうです。
亜美 ほんと、最初は「1年ぐらい」と言われてましたからね。それが気づけば3年も経っていて。自分的には嬉しい延長でしたね。そう考えると、“満足しなくちゃいけない”のかなとも……。
——とは言え、続けたいでしょうに(笑)。
亜美 だけど、今が一番盛り上がっている自覚もあるし、解散を惜しんでくれる人が大勢居る中で終われることは、ある意味幸せですからね。ニューアルバムからの先行曲(“愛してる♡キスしたい♡Hしたい♡”)にしても、とてもハッピーな曲だったんで、自分の中では凄く良い終わり方が出来そうなんです。今となっては竜人さんがここまで色々と考えて下さったことに感謝していて。華やかに終われそうなので、とても満足しています。
——それこそ今回のニューアルバムの『WIFE』は最後って感じが全くしない作風ですもんね。逆にこれから順風満帆に続いて行くグループの作品って言われても異存のない作品に映りました。
亜美 私もそう感じました。やはり惜しまれる中、パーッと終わりたいですからね。やっているメンバーの一員としても恵まれたことにとても感謝してます。
美咲 私もこの3年間、充分に楽しみ尽くしたので、とても満足しています。ニューアルバムにしても、非常にやり切ったので。ちょうどいい具合で終われそうです。
「アイドルグループというよりも部活動やサークルに近いノリが、このグループにはあった」(清 可恩)
——美咲さんは、どんなところがこの3年間で最も楽しかったですか?
美咲 やはりライブですね。色々な場所に行かせていただいて。各地でみなさんにお会い出来たのも嬉しかったし、ライブ自体も毎度凄く楽しくて。あと、ライブの時の楽屋やライブが終ってホッとしてからの打ち上げでの爆食い(笑)。そのような楽しいし、想い出深い経験も出来たので、この3年間に悔いはありません。
可恩 最後の幕張での解散ライブまでに、みなさんにもう一度会えるように全国ツアーもありますからね。ラストコンサートも凄く盛大に大きな会場を用意してもらったんで、自分たちも解散に向けて心の準備ができたり、来て下さるお客さんも心の準備ができると思うんです。
——そんな可恩さんは、この3年間いかがでした?
可恩 アイドルグループというよりも部活動やサークルに近いノリが、このグループにはありましたね。メンバーも仲良かったし、振り返ると楽しかった場面ばかりが浮かんでくるので、仕事仲間って感じではあまりなく、家族や姉妹みたいな間柄でした。
——去年の11月の解散発表の仕方も、かなりハッピーな歌の中でなされていて驚きました。
可恩 あの発表の仕方にはファンの方も驚いたと思いますよ。紙吹雪が舞ったり、それこそ、“解散、イェイ!!”みたいなノリでしたから。正直、解散発表の際は寂しかったし、驚いたり、みなさんも残念がって下さったと思うんですが、今はお客さんとどう最後の時間まで楽しみ尽くそうか考えているところです。終わりはそれこそ“やり尽くした!!”って顔で、来て下さった方を楽しませ尽くしたいんです。なので最後は凄くすっきりした表情をしてるんじゃないかな。自分たちもファンのみなさんも。
清 竜人25、解散発表!@ZEPP TOKYO 2016.11.20
——優華さんは、この3年を振り返っていかがですか?
優華 私はこの3年、納得のいく活動が出来たので、正直あまり寂しさや思い残すこともないんです。いつ突然辞めるって言い出してもおかしくない人(竜人のこと)だったんで、それが1年前に告げてくれたのは、彼なりの優しさだし、自分たちも心の準備が出来たかなって。特に最後の全国ツアーは、これまで行けなかったところにも行けるので、あまり思い残すことなしに家庭に入れそうです。自分的にもハッピーだし、お客さんにもファンタジーを保ったまま終われるでしょうし。