Interview:倉本美津留(くうきにみつる)

――どういった経緯で放送作家且つミュージシャンというスタイルになったのですか?

子どものころから、人を驚かせたり、みんなが考えないようなことを提案したりするのが好きで、でそれを仕事にしようとは思っていませんでした。小学生のときにビートルズの衝撃を受けたこともあって、オリジナルの曲を作ったり歌ったりすることが得意だったので、音楽の道に進もうと決めてました。世界に発信していきたい気持ちがあって、言葉を超えて伝えられるのはやっぱり音楽や!と思ったんです。バンドを組んだりして試行錯誤しているなか、音楽業界のキーパーソンに近づけるんじゃないかという動機から制作会社に入りました。そこではじめて“面白いことを考える”という職業が存在するって知って、今に至る感じです。その間も音楽は続けていて、どちらが本職とかいう感じもなく生きてきてこういうスタイルになってます。

――「放送作家」、「ミュージシャン」とどちらもクリエイティブなお仕事ですが、もの作りをする上でに大切にしてるのは“感覚”ですか? または“論理”ですか?

めちゃくちゃ感覚のほうですね。思いつきだけで生きてきたみたいなところがあるので(笑)。理論は後から。本当に感覚的に「これはオモロい」「これはオモンない」って見える感じなんです。目に見えないその“オモシろ”を、最初から同じ感覚で共有できる人もいるけど、そうじゃない場合も多い。だから、大体いつも丁寧に説明していきます。説明しながら自分でもさらにわかっていく・・・というところもあります。

――では、作っている段階では聴く人や見る人を意識したりはしないのでしょうか?

思いついた瞬間は全然考えてないかもしれないですね。お題が出たときに意識しておいて、いったん忘れる感じかな。今の世の中になくて、だけど存在させることができたら絶対に面白いことを思いついてから、次のステップとしてみんなにわかってもらうためにはどうすればいいか考えます。

次ページ:誰かと一緒に演奏するときってフィット感がとても大事