――今回、空気公団と一緒にアルバムを出すことになりましたが、どういった経緯があったのでしょうか?
ある時、空気公団から突然CDが送られてきて「今度リリースするアルバにコメントをもらえませんか」っていうお願いがあったんです。荒井良二さんのイラストがとてもステキなジャケットで、聴いてみたら、時代に擦り寄っていってない。いい音楽で独自の世界を紡ぎだそうとしている印象を受けました。『空気公団作品集』というアルバムです。こういうサウンドを作っている空気公団みたいな人たちと何か面白いことがしたいなと純粋に思いまいした。
――それから一番最初のコラボレーションが実現するのですね?
アルバムにコメントしたきっかけで会ってみようってなって、そのとき「倉本さんが作っている番組と音楽には境がないから好きです」というようなことを彼らが言ってくれまして。誰かと一緒に演奏するときってフィット感がとても大事だと思うんですけど、空気公団は、一回合わせただけで「ばっちりやんか! もう大丈夫やね、練習しなくても(笑)」という感じで。すごく相性がいいんです。それで、試しに一緒に一曲やってみようっていう話になったとき、“いっぱい”という曲のデモテープを作りました。どこに出すというあてもなく。そしたら、それがすごくうれしくなるような出来だったんですよね。
――音階がタイトルになったアルバム『はにほへといろは』。タイトルのネーミングはどのようにして付けられたのでしょうか?
音楽的なアルバムにしたかったんです。もちろん音楽だから音楽的というのは当たり前なんだけど、つきつめて、でもシンプルに音楽的なタイトルにしたかった。一番初めにレコーディングした「いっぱい」の“い”という頭文字から「はにほへといろは」というタイトルが浮かんできました。それで、収録される楽曲のタイトルの頭文字を全部「はにほへといろは」で揃えてみようかって。ルールとか縛りみたいなものをつけてみるのは、ひとつのやり方としてあって。それでちょうど半々で分担して作ることにしました。半々というのは混ざり方がいろいろあって、作詞担当だったり作曲担当だったり、ボーカル担当だったり。分け方は複雑なんだけど、半々というルールは厳格にしました。
――曲順に何かこだわりなどがあったのでしょうか?
最初は「はにほへといろ」の順で並べようかっていうアイデアもあったんだけど、最終的には気持ちのいい並びにしました。頭文字ルールに気づくひとは気づいてくれたらいいし、気づかなくてもそれでいいかなって。