2009年、<SXSW>でのパフォーマンスで音楽業界が一気に注目、翌年には『ゴリラ・マナー』で鮮烈なデビューを果たし、主要メディアからの賛辞を浴びまくったローカル・ネイティヴス! 日本では国内盤の発売前という異例のタイミングで<フジロック・フェスティバル‘10>に出演、翌年には東京、大阪を巡るジャパンツアーを決行、さらに昨年行われ大盛況となった<Hostess Club Weekender>にも登場するなど、日本でも旋風を巻き起こしているが、そんな彼らの待望の2ndアルバム、『ハミングバード』が1月23日(水)にリリースされる!!
ザ・ナショナルのアーロン・デスナーをプロデューサーに迎え、彼との共同生活を送りながら生まれた今作は、前作を超える色彩の豊かさと早くも太鼓判! そんな記念すべきリリースを放っておくわけにはいきません!! ということで、Qeticは<Hostess Club Weekender>で来日した際にインタビューを敢行しちゃいました! バンドメンバーの脱退、身内の訃報、ライヴでの素晴らしい体験など様々な出来事を乗り越えた彼らが語る2年間。とことん自由を目指した新作について。はたまた気になるコラボの噂やメンバーの夢まで! たっぷりお届けしちゃいます。
また、リリース間近の本日よりアルバムの全曲試聴もコチラでスタート! 試聴をしつつインタビューを読むことで、彼らの想いがより深く響いてくるのではないでしょうか。インタビューのBGMにマストです。
Interview:Local Natives(ライアン・ハーン:g&key&vo/テイラー・ライス:g&vo)
Local Natives – “Breakers”
――昨晩のステージは<フジロック2010>の時よりも遥かに「ライヴ・バンド」として進化していて、本当に本当に素晴らしかったです。久々の日本、そして昨夜のオーディエンスはいかがでしたか?
ライアン・ハーン(以下、ライアン):とても素晴らしかったよ。新曲を初めてやったんだけど、凄く受け入れてくれて凄い感動的だったよ。新曲をやるとポカーンとする時があったりするんだけど昨夜はオーディエンスが皆真剣に聞き入ってくれて、凄く演奏してても楽しかったよ。
テイラー・ライス(以下テイラー):そうだね。日本のオーディエンスはいつも本当に最高だよ。
――全体的にさらにエモーショナルな世界観になっていたのがとても印象的でしたが、新曲に取り組むにあたって何か変化した点などはあったのでしょうか??
テイラー:そうだね、いつも個人的な想いから曲作りをしていくんだけど、最新作ではもっともっとダイレクトに個人的な感情が反映されているんだ。やっぱりこの2年間の間に起こった出来事の影響が物凄く大きくて、<フジロック2010>での演奏とか、世界中をツアーしたりといったような素晴らしい出来事もあれば、個人的にも悲しい出来事があったりして。そういった様々な感情がそのまま投影されているという意味では、前よりエモーショナルに感じたのはそういったところから来てるんだと思うよ。
――前作から2年の間にメンバーの脱退、御家族の訃報など、大変な時期もあったと聞いております。その中でもあなたたちを今作の制作に突き動かした物はなんだったのでしょうか?
ライアン:色々とバンドとしても個人的にも辛い出来事に局面した中で、今回一緒に作曲をしたっていう事がある種の治癒になったのは間違いないね。テイラーとケルシーは個人的な感情を吐き出して作曲することで治癒になっただろうし、バンドとしても難しい局面を切り抜けるのに今回の作曲のプロセスは本当に必要だったんじゃないかな。やっぱりメンバーと一緒に良い曲を書くっていうのはいつでも楽しいから。
テイラー:ツアー中っていうのは作曲している頃とはまるで違う状況なんだけど、ずっとツアーをする中で早く作曲したくてしたくて仕方が無かったっていうのはあったね。あと色々と個人的にも辛い時期を迎えてたから、治癒っていう言葉は的確かもね。
――アートワークを含め基本的にすべてD.I.Y.で制作された前作『ゴリラ・マナー』に対し、今作ではプロデューサーにザ・ナショナルなどを手掛けるアーロン・デスナー氏を起用されましたね。今回一緒に作業をしてみていかがでしたか?
ライアン:素晴らしかったよ。いつも僕らはメンバー全員が明確な意見を持ってるから他のプロデューサーと仕事する事に関しては不安な部分っていうのがあったんだけど、アーロンと一緒にツアーを廻ったりして意気投合したし、色んなプロデューサーを紹介された時に、いわゆる仕事仲間っていうよりは友達みたく気兼ねなく色んな意見を言い合えたり、新しい視点を提示してくれたり、そういう人と作業をしたいって痛感したんだ。だからアーロンと意気投合してからの作業はとても充実したものだったし、まるで兄貴みたいなスタンスでいてくれたから最高だったよ。
――前作『ゴリラ・マナー』はライヴを意識したアルバムであり、反対に今作『ハミングバード』はそういった縛りを一切なくし、自由にやりたいように制作したと聞きました。今回ライヴでその音源を演奏するにあたって意識した点、苦労した点などを教えて下さい!
ライアン:苦労した点とか特になかったかな。苦労っていうより、新しいチャレンジみたいなものだったね。前作は自分達ですぐに再現出来ないような音源は作らないっていう風に決めて制作したけど、今回は新しい楽器を組み込んだり、逆にこれをどうやって演奏するかっていうのを試行錯誤する作業が楽しかったかな。そんなに絶対に出来ない様な事はなかったし、例えば僕がギターを弾きながら、ドラムのサンプリング音を足で鳴らさないといけない曲があったりするし、ケルシーはサンプラーを取り入れたりしてたし。あとギターのトーンとかドラムのトーンとかは以前よりも重くなったと思うよ。感情的にそういう説得力も欲しかったっていうのもあったから。そういう風に自分達の可能性を広げるような作業は本当楽しかったよ。
――それでは今作では本当に前作と逆で、取り込めるものに関しては何でも採り入れて行くスタンスだったんですね。
ライアン:そうだね。
テイラー:今作では今までの枠から飛び出せるように新しい音や色々なことを模索することにすごい時間をかけたんだ。だからもっとシンセやエレクトロニックの要素が増えてるし、ギターに関して言うと前作はクリーンとディスト―ションしかなかったけど、今作はもっと沢山の種類のサウンドを駆使しているんだ。だから本当色んな事にオープンになったんだ。
――色んな楽器や新しい要素を取り入れるのに影響を受けたジャンルやアーティストにはどういいったものがありましたか??
ライアン:ポーティスヘッドとかスーサイド、後は80年代のデイビッド・ボウイ、ブライアン・イーノ、とかのクラシックスとか昔から良く聴いてきたようなところからだね。特に近年の特定のジャンルやアーティストから何か影響を受けたっていう訳ではないかな。
テイラー:確かに80年代っていうのは大きいね。でも最近のいわゆるリヴァイヴァル・バンドとかそういったものを意識してとかはなかったね。だから本当に自分達のキャンバスを赴くままに広げたかっただけなんだ。