——しかもメロディはあまり過去に参照点がないというか、比較的最近のUSインディーのバンドとかがやっててもおかしくないようなメロディだなと思って。
NAOKI 意識してないけど、イントロダクションのAメロの静かな部分、アコースティックのコード進行とメロディももしかしたら、ロックというより、例えばあれをピアノでやったら最近のリズム・アンド・ブルースの人がバラードで歌いそうなコード進行だったり、歌のあり方もそういう感じがするし。なんかその、一つの時代やジャンルにとらわれてない感じがあの曲を作ってて面白かった理由かもしれない。自分たちもあのコード進行とメロディを一筋縄で乗りこなせないみたいなところは、作り始めた頃はあったよね?
KUMI うんうん。だからこそあんまり工夫するというよりそのまんまやっていった感じだよね。
——作り手の意識の変化をそのまま楽しめる曲というか。
NAOKI ああ、そうかもしれない。
KUMI フィクション性が少ないというか。
NAOKI この曲、僕もすごく思い入れがあって。曲自体はそんなに複雑な曲じゃないし短い曲だし。でもすごく深いところで、音楽と向き合えたというか、油断するとミックスでも演奏でも作業の途中に涙が出てきちゃいそうな、そういうような深いところで、それがなんの涙かわからないんだけど、なんか歌詞とかそういうのも全部超えて、「あ、音が鳴ると心が震えるってこういうことなのかな?」みたいなのを感じながらやってたような気がしますね。
——だから新しい曲を作るのでは? というこじつけをしたくなるんですが(笑)。
NAOKI ああ(笑)。
KUMI そうだねえ(笑)。
NAOKI でもこういう新しい肌触りのものに出会えると自分たちも嬉しいんだよね。
KUMI だし、結局、音が鳴ると幸せっていう根源的な喜びがあるんだよね、人間にはね。
——だから似たものがあったからもういらないとかじゃなくて。
KUMI それ以前なんだよね、多分。
——自分から出てくるものってなんなんだろうってことなんでしょうね。それにしても『LOVE YOUR LOVE』って日本語に訳しづらいですが(笑)。
KUMI そうだね(笑)。
——愛って言ってもいろんなニュアンスの愛の曲が多いじゃないですか?
KUMI フフフ。
——けっしてポジティヴなものばかりじゃないというか。
KUMI うん。
——でも最終的には絶対あるよねっていうアルバムなのかなと。
NAOKI アルバムのタイトルはこの13曲を総括した言葉っていうよりも、今のこの2017年にみんなにメッセージを一言送るんだったら、この言葉だねっていう感じかな? だからこのアルバムの商品名というよりも、プラカードにはちっちゃいけれども(笑)、CDのこのスペースに一言メッセージ添えたような感じだよね、うん。
——ああ、なるほど。話が変わるんですが、先月ぐらいかな? SuchmosのYONCEくんのラジオ番組で、彼は00年ぐらいの日本の曲を聴けてないらしくて、英語と日本語がミックスしてる歌詞という意味、今LOVE PSYCHEELICOが勉強になっているそうです。
KUMI まぁ!(笑)そうなんだね。
——最近、英語と日本語が分かれてるんじゃなくて一行にも混ざってる、彼らやNulbarichとか。伝えたいこととして英語があるという、なかなか面白い傾向だなと思って。
NAOKI うん。Suchmosはお会いしてないんだけれども、イベント一緒だったよね?
KUMI そうだね。
NAOKI いいバンドだよね。
——先ほどNAOKIさんがおっしゃってたように無理やり上も下も出すみたいなことはあまりみんなやらなくなってきたのかなと。
KUMI そうだね。みんな自然体なミュージシャンが多いかもね、今は。
NAOKI 頑張らなくていいところは頑張んなくていいっていう、音楽の本質っていうか、自然でいいじゃんっていう(笑)、のは今の若い子たちの方がしっかりできていると思う。
KUMI 自然体っていうのはいいと思う。日本語にしても英語にしても自然と取り入れるし。
NAOKI 彼らはなんだろうなぁ、自然とその……ロックファンに向けてない感じが好き(笑)。
KUMI 包容力があるよね。
NAOKI スタイルももちろん親近感あるけど、それよりもあの包容力って、一番の音楽の魔法だと思う。
KUMI うん。自分たちが一番カッコよくなってやろうっていうよりも、みんなでハッピーならいいよねっていう音楽っていうか(笑)。
NAOKI あと、ドミコ。ライブ見たことないですけど、何曲かApple Musicで知って、センスいいよね? 彼らも。
——20代の人たちの音楽自体は豊かだし、すごく楽しい時期だと思うんです。
NAOKI そうだね。音楽がそう簡単にお金にならないよっていう時代になってきたら(笑)、そこで金儲けでなんかやろうと思った人がちょっとずつ減って、ほんとに音楽好きな人たちが(笑)、楽しくできる環境が整い始めたのかもしれないね。だから最近若い子見てると作られたロックスターがいなくて、それがいいなぁと思う。
EVENT INFORMATION
LOVE PSYCHEDELICO Live Tour 2017 LOVE YOUR LOVE
2017.09.01(金)
LiveHouse 浜松窓枠
OPEN 18:30/START 19:00
2017.09.09(土)
仙台Rensa
OPEN 16:00/START 17:00
2017.09.10(日)
Zepp DiverCity (TOKYO)
OPEN 16:00/START 17:00
2017.09.24(日)
Zepp Namba
OPEN 16:00/START 17:00
2017.10.01(日)
札幌PENNY LANE 24
OPEN 16:30/START 17:00
2017.10.06(金)
⾼松オリーブホール
OPEN 18:30/START 19:00
2017.10.13(金)
Zepp Nagoya
OPEN 18:00/START 19:00
2017.10.14(土)
広島CLUB QUATTRO
OPEN 16:00/START 17:00
2017.10.27(金)
新潟LOTS
OPEN 18:15/START 19:00
2017.11.10(金)
福岡DRUM LOGOS
OPEN 18:00/START 19:00
2017.11.17(金)
⾦沢EIGHT HALL
OPEN 18:15/START 19:00
2017.11.24(金)
中野サンプラザホール
OPEN 18:15/START 19:00
スタンディング
¥6,000(+tax incl.)(1ドリンク別)
各Zepp公演
1Fスタンディング ¥6,000(+tax incl.)(1ドリンク別)
2F指定席 ¥6,800(+tax incl.)(1ドリンク別)
中野サンプラザホール
全席指定 ¥6,800(+tax incl.)
詳細はこちら
RELEASE INFORMATION
LOVE YOUR LOVE
2017.07.05
LOVE PSYCHEDELICO
初回限定盤(2CD)
VIZL-1176
¥3,500(+tax)
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通常盤(CD)
VICL-64802
¥3,000(+tax)
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text & interview by 石角友香