――(笑)。鈴木さんにはぜひ弘前のねぷたのお話を。
鈴木 好きな絵師の絵を見るために僕は毎年、田舎に帰るんですよ。明後日帰りますが(笑)。
和嶋 だからそこにスケジュールを入れないのが恒例になってます(笑)。
――その魅力ってなんなんでしょう?
鈴木 それはね、青森県民しかわからないかもしれないですね。6日間走ったねぷたが、後は燃やすか剥がすかで終わりですから。祭りはいろいろあるだろうけど、春ぐらいから待ってるんですよ。「ああ、あと3ヶ月ぐらいでねぷたが出る」と思って、6日間が終わったらぼーっとする。
和嶋 ホント、祭りのあとっていうのはこういうことか? っていうくらいなんですよ。
ナカジマ 僕はねぷた以外の研ちゃん(鈴木)の普段の趣味も聞きたいな。
鈴木 俺、別に趣味というほどのことはなく、毎日パチンコばかりしてますよ(笑)。
ナカジマ・和嶋 ハハハ!
鈴木 パチンコして勝って家帰って、マッサージチェアでグルングルン凝りをほぐしながら部屋は冷凍庫みたいに冷やして、コーラ飲みながらプログレ聴くってのが最高。
一同 (爆笑)
――—(笑)。肝心のニューアルバム『萬燈籠』について伺いたいのですが、前作『此岸礼讃』が震災が起こった2011年の作品ゆえに、非常にその影響がダイレクトに出たものだったと思うんです。今回はそこから2年経過して和嶋さんの中で表現したいベクトルに変化があったんでしょうか。
和嶋 前作では震災が起こった現実を見て、その現実を肯定的に捉えたいという想いで作ったんです。で、今回はまた割と僕ら本来のイメージである幻想的な曲、それをコンセプトにアルバムを作りたいと思いましたね。
――サウンド面では前作以上にハードでエクストリームになってきたんではないかと。
和嶋 音楽的にね? それはやはり<オズフェスト>に出た影響が大きいですね。あのイベントはかなりなロック好きが来るイベントですから、それに出て注目は集まると思ったんです。その後増えるか減るかはわからないですけど、とにかくまずは聴く人が増えると思ったんです。なので、元々やりたかった本当にロックなものをやろうっていう意識が働いたんだと思います。
――日本的な神話的な歌詞もありますが、ラストの“衛星になった男”などはすごくストレートで、和嶋さんがどう生きたいのかが描かれているのかな? と思ったんですが。
和嶋 その曲に関しては宇宙飛行士の気持ちを書いた曲なので、そう書くしかなかったんですね。でも、確かにバンドがもう少し大きくなればいいなという気持ちも込めました。やっぱりイメージしないと、待ってるだけでは現実って変わらないんですよね。で、イメージするっていうことは自然に自分が行動をとってるんですよ。そういうことは気がつくか気が付かないかだけなんですけど、実はシンプルなことで、誰でもやってるんです。で、恐らく成功してる人っていうのはそこに気がついてるんです。だから、幻想っていうのは実は現実とほとんど同じだと思うという意味のことをこのアルバムでは言いたかったんです。
text by Yuka Ishizumi
人間椅子 -“衛星になった男”
★インタビュー後、Qetic編集部企画を遂行!
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