Interview:Dreamcast/吉本綱彦
——簡単なプロフィールを教えてください。
高校から油絵を始めて、大学でデザインの勉強はするけど自分の制作はイラストばっかりやり、途中で挫折し、そこからニュー・ペインティングとかの勉強を始めました。で、そのときにゴミを描き始めて、いまメインでゴミを拾ってきて、模写することをやっています。基本的何かを伝えるためにロジカルに筆を運んでいくというか、工程と思考を繰り返して、新しいアイデア的なもので勝負していこうかなと思っています。
ジャンルは定まっていないのでがっつりこれといったものはないですが、コンセプトを持ったストリートっぽい感じでやっていこうかな……という。土着的な感じでコンセプトのある作品を創ってます。
あとはラップやDJをやったり、ユースカルチャーに根付いたアートと音楽の合流地点を探しています。音楽好きな人が好きになるアート、それの逆も然りで、両方寄せていくのではなくてはくって、離れているところの集合地点をずっと模索しています。
——好きなアーティストは?
すごい影響受けたのはジャン=ミシェル・バスキアとラメルジー。あと、バンドやってる人なんですけど、古川太一さん。今はKONCOSっていうバンドをやってるんですけど。
太一さんは興味があることを全部やってたりして、こういう人間になりたいと思ってる支軸の一人です。
——最近気になるSNSアカウントは?
よくないことなんですけど、あんまり気にならなくなってきて。自分でいっぱいいっぱいで。あと、いいなと思ったらヘイトから入っちゃって。
展示でやられたのはTENGAone a.k.a SOHさん。昔からいるグラフィティー界隈の人なんだろって思いながら行ったら、僕が目指してることをやっていて。完全にやられちゃって。
SNSは極めて表面的だと思いますね……。時の流れはわかりますけど。現場に出ろっっ!
——好きな色は?
ずっと紫が好きでした。赤と青の中間って感じが気持ちよかったです(笑)。
村田実莉 作品に使う色と好きな色って違いますよね!
確かに……。レイカーズカラーが好きで。あと色は組み合わせ見ることが多いかもしれないです。紫と水色とか。
——一緒に仕事したい人は?
いろんな感情の中で、いろんな人がいるんですけど。高校・大学で一緒で、仲が良かった中村佳穂というシンガーソングライターがいるんですけど、いけてる曲を作ってて。最近疎遠で……。彼女はtofubeatsとかgroup_inouのimaiさんとかとやっていて……、俺とやれよ! って思います(笑)。
——休日は何して過ごしてる?
基本的に仕事終わってクラブ行って、家帰って、とかが多いので、休日に絵を描いてることが多いです。
——最近「自分ヤバイ! 最高!」と思った瞬間は?
絵を描いてて、ライブをするのは、いいなって思うからやっているのである意味でヤバイな! って思ってます……(笑)。
——あなたにとってアートとは?
言い訳じゃないですか。「アート」って言えば正当化されるみたいな。「アート」だから新しいんですよって言えるみたいな。でもその言い訳づくりが楽しいです。「アート」っていうフォーマットにすれば、相手が「アート」として見るから、新しい価値観としてみてくれるんですよ。
Profile
Minori Murata|村田実莉
1992 年東京生まれ。2016 年多摩美術大学テキスタイルデザイン学科卒業後アーティストとして活動。テキスタイルデザインのみならずグラフィックデザイン、スタイリング、空間デザインなど幅広く活動する。ファッションブランドBALMUNG2018ss のグラフィック& 空間デザインのアートワーク、アートユニットskydiving magazine としてシブカル祭。2017(PARCO) アートディレクション、Reebok & 木村カエラコラボレーション商品ビジュアルディレクションなど。
Tsunahiko Yoshimoto|吉本綱彦
1993 年生まれ、大阪出身、京都精華大学グラフィックデザインコース2015 年卒、東京都在住。ヒップホップカルチャーに影響を受け、路上的モチーフを取り入れたサンプリングによる、リーガルでありながらにしてのグラフィティの製作を中心に活動中。CDジャケットやT-shirtなどの、ファッションや音楽に纏わるデザインワークの製作も行っている。初の個展でメインとなるモチーフは路上のゴミ。偶然が生みだす不規則な変化に新たな価値を見出し収集する行為は街のサンプリングともいえる。
EVENT INFORMATION
NO AIR
2018.02.19(月)〜25(日)
kit gallery
本展では本来の目的を全うしている物を(ON AIR=放送中)とし、役目が終わり使用済みのゴミや本来の用途を全うできない物を(NO AIR= 空気のない)として空気の抜けたもの、本来の目的がなくなったものをモチーフにそれぞれの作品を展示する。
空気の抜けた風船を真空パックし、本来では見ることのない形状に加工。それをまた紙袋にペインティングした作品と織物の産地である群馬県桐生にて製作した開封後の食品パッケージを混ぜた新たなテキスタイルやプロダクトを展示する予定。