女の子は凶暴でおもしろいって思う。
——創作あーちすと「のん」として、『ひとり展』がパルコギャラリーで始まりますね。
のん はい、(クアトロの)ワンマンライブが、この『ひとり展』のクロージングパーティなんです。
多田 絵の個展もやるんだね。もう時間が全然足りないんじゃない?
のん 今はやりたいことを全部やっている感じなので、正直大変です。でも私には合っているかなと思います。
堀田 これだけ色々やると、休みがないんじゃない?旅行とか行かないの?
のん 休みはしっかり取らないとだめな方なので、休む時は1日中何も考えずにダラダラしてます。今は、旅行よりお仕事でどこか行く方が楽しいです!
——今回、ルーブル美術館で展示された作品も展示されるそうですね。どういうイメージで作られたのですか?(両面に絵が描かれており、絵には二つの穴が空けられている。その穴を覗き込むと、絵の向こう側に設置された鏡に反射された裏面の絵を観ることができる作品)
のん 私はまだ、技とか自分だけの描き方っていうのを持っていないので、今はただ絵に思いの丈をぶつけるだけという感じなんです。せっかくパリに持って行くのなら、どうしたら楽しんでもらえるだろうと思って、見るだけじゃなくて、体験できるものにしたいなと思ったんです。
——絵の裏側を見せるだけではなくて「穴を覗いている人を外から見たらおもしろい」という、のんさんが考えたストーリーがおもしろいと思いました。
のん大人と子供が見れる様に、絵には高いところと低いところの2箇所に穴を開けました。興味がわいて、覗く体験は、大人目線も子供目線も一緒になるんじゃないかなと。穴をのぞいている時は他のことをあんまり考えていない気がして、そういう時って人は無防備だし。はたからみたら、子供みたいでかわいいなって想像したらおもしろくて。
堀田 さっきの排気ガスのアイディアもそうだけど、作ることが好きなんだね。才能が爆発してる。
——今回の個展の見どころを教えてください。
のん 「女の子は牙をむく」っていうテーマなんですけど、私は女の子の凶暴なところが好きなんです。それを表現したくて絵を描いたり、巨大な牙をむいているハムスターを作ったりしました。大きなハムスターは、子供からでてくる自由な発想が好きで、うらやましいと思っているところから考えてみたんですけど、物を巨大化させれば子供の目線になるんじゃないかなって。そしたら大人もおもしろい発想がわいてきたらいいなと。来てくれた人には、もちろん私の作品をおもしろがってくれたらいいなと思いつつ、自分もやりたいなっていう意欲がわくような展覧会になればいいなと思います。
——最後に女の子って凶暴ですか?
のん 凶暴でおもしろいなって思います(笑)。
多田 なんだか、のんちゃんってジャンヌダルクみたいな感じですよね(笑)。
のん 本当ですか?
多田 あんまり自分の意思とかじゃなくて、そういう渦の中にいる人みたいな。でも、そこにいると戦わないといけない時もあるよね。
堀田 演技でも、音楽でも、絵でも、どのステージにいても、のんちゃんのそういう感じが好きになって、いろんなアーティストの人が一緒にやりたいって言ってくれたり、チャンスがたくさんやってくるんだと思うよ。
のん 嬉しいです! でもラッキーだなって思います。その時代によって自分を合わせてこれたからなのかもしれないです。
のんは、2人の言葉をしっかり受けとめた後、大きな瞳でまっすぐに相手を見つめ、言葉ひとつひとつをゆっくり選びながら話していた。その、おっとりとした彼女の佇まいからは、自由に暴れ出てくる様なエネルギーが一体どこから出てくるのだろう……。
彼女から出てくるアイディアや、話の切り口は斬新で、二人のトップクリエイターも驚きを隠せなかった。冷静な分析をするかと思えば、今の自分を深く考えずに楽しんでいる様なところもある。何よりも今の自由さを楽しみながら、未知なものに臆することなく切り開いてく力が、多くの人を惹きつける彼女の魅力なのだろうと思った。
実際、環境問題は我々の気づかないところで差し迫っている。しかし、どれだけ地球が汚れていて、赤信号が点灯しているか、日々の生活の中で危機感を感じることがないのが正直なところだ。
まずは知ること。そして行動すること。アーティスト、クリエイター、そしてメディアが手を組み、今の地球の状況をよりたくさんの人に伝えること。そして、何をすればいいのか個々が考えるきっかけを作る義務がある。今回の企画を通してそう感じた。それはくそ真面目なものでなくたっていい。明るい未来のために、考える入り口はポップで、クレイジーだっていいのだ。我々カルチャーメディアは、多くの人々に情報を発信することができる力をもっている。これからも環境問題だけではなく、様々な社会問題に対しても世の中に大きな動きを作り、人々の意識にスイッチを入れていきたいと思う。
INFORMATION
COOL CHOICE Non 温暖化!キャンペーン
環境省が、温暖化の大きな原因となるCO2の削減を目指し、「省エネ家電への買換え」や「LED照明への買換交換」を呼びかけるため、今年度より「COOL CHOICE 5つ星家電買換えキャンペーン」を実施。キャンペーン推進のためのPR動画『Non温暖化!赤鬼化を止めろ!』をCOOL CHOICE HP内の特設サイトにて公開。
詳細はこちら
RELEASE INFORMATION
スーパーヒーローズ
2018.05.09(水)
のん
KAIWA(RE)CORD
<収録内容>
-CD-
01. へーんなのっ[作詞・作曲:のん / 編曲:飯尾芳史]
02. さぁいこう[作詞・作曲:真島昌利 / 編曲:飯尾芳史、Non Cigarettes]
03. 正直者はゆく[作詞・作曲:のん/ 編曲:飯尾芳史]
04. あることないこと[作詞・作曲:のん/ 編曲:飯尾芳史]
05. RUN!!![作詞・作曲:Sachiko M / 編曲:大友良英]
06. スケッチブック[作詞・作曲・編曲:尾崎亜美]
07. My Day[作詞:佐藤美恵子 / 作曲・編曲:高橋幸宏]
08. ストレート街道[作詞・作曲:のん/ 編曲:飯尾芳史]
09. 私の大好きな歌[作詞・作曲:のん/ 編曲:飯尾芳史]
10. わたしはベイベー[作詞・作曲:矢野顕子 / 編曲:飯尾芳史]
11. スーパーヒーローになりたい[作詞・作曲・編曲:高野寛]
12. おやすみ[作詞:Sachiko M / 作曲・編曲:大友良英]
-DVD-
音楽活動開始から『スーパーヒーローズ』完成までのドキュメント映像が収録! ! !
5月9日(水)にファーストアルバムCD『スーパーヒーローズ』を自身の音楽レーベル〈KAIWA(RE)CORD〉より発売する女優・創作あーちすと、のん。アルバムには、シングル“スーパーヒーローになりたい”“RUN!!!”の他、矢野顕子, 真島昌利, 尾崎亜美, 高橋幸宏, 大友良英など豪華な制作陣= スーパーヒーローズ達とタッグを組んでつくりあげた、全12曲が収録され、のんのこれまでの活動が集結した1枚となっている。 アルバムには、未公開写真満載のPhoto Book が付属し、DVDには音楽活動開始から『スーパーヒーローズ』完成までのドキュメント映像が収録!!!
EVENT INFORMATION
‘のん’ひとり展 -女の子は牙をむく-
2018.04.19(木)〜05.08日(火)
11:00〜20:00 ※会期中無休
ギャラリーXバイパルコ(GALLERY X BY PARCO)
東京都渋谷区宇田川町13-17 スペイン坂路面
500円(おみくじ付)
クロージングイベント<のんシガレッツ>ワンマンライブ
2018.05.08(火)
渋谷クラブクアトロ
ADV ¥4,000 発売日:4月7日(土)
スペシャルゲスト:大友良英、高野寛、弓木英梨乃(KIRINJI)
text by 佐藤めだか