ーー作るのが難しかった曲、逆に楽だった曲は?

ラグナル いくつかの曲は、すごく楽に出てきた。例えば“ハンガー”は、僕達がただプレイしていたら曲になったんだ。

ナンナ ええ、奇妙だったわ。「オーケー、これがその曲よ」って演奏し始めたら、皆も演奏し始めたの。最初の日に演奏したものが、そのまま曲になっているわ。

Of Monsters and Men – Hunger(Official Lyric Video)

ラグナル それから、“ウルヴズ・ウィズアウト・ティース”っていう曲は、何度も変化したんだ。沢山発展して、皆が喜んだ時もあれば、がっかりした時もあって、そのあとロサンゼルスで新たにサビを入れたんだよ。

ナンナ それにクリスはいつも、変化する曲をやるのよね。

ラグナル あの曲は、最初はそんなにプライオリティが高くなかったんだ。それでヴァースとブリッジのアイディアは、ツアー中に閃いたんだ。

ナンナ 作った曲が少し古くなると、それは古い曲になるから、皆はそれから離れたくなるっていうか、そうじゃないわね、新しい曲の方が興奮するのね。それで、あの曲はちょっと保留していたの。

ラグナル そのあとでサビを入れたら、新しい命が吹き込まれたんだ。それで、また興奮できた。

ナンナ ええ、あの曲は違っていたわね。それから、スタジオでは、“バックヤード”っていう曲ですごく苦闘したわ。デラックス盤に入っている曲なんだけど、当初は、アルバムに入れたいって強く思ってた曲だったの。

ラグナル そうだね、でも一応アルバムに入ってるよね。

ナンナ そうね。

ラグナル リハーサルで最初に作った曲の一つだったんだ。僕達が最初に完成させた曲だった。その時は、全員が古い楽器を演奏したくなくなってて。飽き飽きしてたんだよ。それで、僕がドラムを叩いて、アルナルがピアノを弾いて、君がエレクトリック・ギターを弾いて、ブリニヤルとキットがシンセを演奏した。だから僕達の古い楽器は入っていないんだ。

ナンナ でも、それは良かったのよ。そのおかげで、私達は違うことをやらざるを得なかったから。

ラグナル そう。

ナンナ 違うやり方でね。あの曲は、強制的に違うことをやることになったのよ。

ラグナル 僕達は違う楽器でしばらく演奏したんだ。向かっている方向は特になくて、かなり混沌としてた。だから、安全ではなかったけど、実験するっていう目的があったんだよね。でも。そのあと、なんていうか必然性がでてきて。

ナンナ スタジオに入るまでに1ヶ月だわって時期になって。

ラグナル もう少し長かった気がするけど、本腰を入れなきゃならなくなって、それで僕達のベーシックな楽器に戻ったんだ。でもその時に、アルバムに色づけができたと思う。僕達が普段演奏する楽器だけじゃなかったからね。アルナルがピアノを弾いて、僕もピアノを弾いて、前作とは違うことをやっていたんだ。皆が違うことを試したんだよ。

ナンナ ソングライティングのプロセスも違っていたわね。今の私達にはピアノ奏者がいないから、そのせいで。

ラグナル それなのに、ピアノはこのアルバムで一番重要な楽器だったからね。だから僕達はピアノを弾こうと試みて、沢山の曲をピアノで書いたんだ。

ナンナ それで違うやり方で作曲したのよね。その楽器に慣れていないから、違うメロディが沸いてくるの。

ラグナル やりながら、僕は沢山学んだよ。僕は、ピアノは弾けなかったけど、今はなんとかやれる。

ナンナ あなたはすごく上手いわよ。

ラグナル そんなことないよ。

ナンナ 私はすごく上手いと思うわ。

ラグナル そんなに上手くないって。

Of Monsters and Men – I Of The Storm(Official Lyric Video)

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