――作曲からプロダクションまでにおいて2人はどんな役割分担をしているんですか?

アンソニー まずジョゼフィーンがピアノでコードを考えて、そこから始まることが多いかな。曲を書き始めると完成までは速い。殆どの曲が1時間くらいで完成したと思う。最初のアイデアから構成を考えて、コーラスとヴァースを乗せていって、1週間後くらいにそれを聴いて、自分たちがその音に満足出来るかをもう一度確かめてからレコーディングを始めるんだ。

ジョセフィーン あまりプロセスについて話し合うことはないわね。ただアイデアを音にして、それをお互いが気に入るかを見るだけなの。

――OWに作曲、またプロダクションにおいて一番影響を与えているものは何ですか?

ジョセフィーン そうね、多分……人々やストーリーだと思う。キャラクターについての内容もよく書くし、例えば、ラスベガスのカジノが舞台のギャンブルのドキュメンタリーからインスピレーションを受けて歌詞を書いたこともあるわ(笑)。人って私たちにとっては本当に大きなインスピレーションなのよね。

――プロデュースも共同作業ですよね?

アンソニー その通り。トラックを書き終えたら、少し経ってから一緒にプロデュースを始めるんだ。まずピアノのパートにとりかかってラフな構成を決めてから、何千もあるドラム・サンプルのファイルの中から色々試したり、ピッチダウンしながらビートを決める。ピアノだけじゃなくて、キックドラムやスネアが加えられていって曲に内容が出来てくるから、俺のお気に入りのプロセスでもあるんだ。プロデュースもミックスも、全部ホーム・スタジオで自分たちでやったんだ。すごく良い経験だったよ。

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『オー・ワンダー』ジャケット

――ちょっと質問の角度を変えますね。お互いをソングライターとしてどんな風に評価しているか教えてくれますか?

ジョセフィーン 彼はすごく穏やかで、優しくて、寛大な人。彼からはすごくインスピレーションを受けるし、やる気に満ちているし、行動派なの。私他人を理解することにも長けていて、ソングライティングにもそれが活かされていると思うわ。自分中心に物事を考えず、色々な観点から物事を見る事が出来るの。すごく賢いし、素晴らしい才能の持ち主。最高だわ。

アンソニー これは良い質問だね(笑)。ジョゼフィーンは言うまでもなく才能に溢れた女性だし、ステージ上の彼女を見たらわかると思うけど、生まれながらのパフォーマーだと思う。音楽と一つになってステージで踊って、それが観客にも伝わっているんだ。最前列にいるオーディエンスを見ているとそれがわかるんだけど、皆ジョゼフィーンを見つめていて、彼女がやっていることがそっくりそのまま彼らに映し出されているかのように、皆が彼女と同じ動きをしているんだよ。それくらい人にインスピレーションを与えることが出来るって素晴らしいと思う。彼女は既に波を起こしているんだ。

――では、ミュージシャンとしてではなく、一人の女性としてはどうですか?

アンソニー 一人の女性としてか……。

ジョセフィーン ははは(笑)。

アンソニー 彼女はパワー・ウーマンだね。すごく強くて、すごく自立している。言いたい事はちゃんとした言い方でハッキリ言うし、自分自身をしっかりと表現出来る女性。しっかりとした自分の考えをもっていなかったり、主張をしない女の子たちの方が多いから、ジョゼフィーンみたいな女性はすごく新鮮だと思う。

――ふたりでOWとして音楽をやっていこうと決意した瞬間を覚えていますか?

アンソニー 最初にスタジオで会った瞬間、お互い同じ音楽への興味を持っていることに気づいたんだ。お互いのお気に入りの曲なんかが全部一緒でさ。そこで既に、二人で何か始めるべきだという話しになった。ジョゼフィーンとは、5年前くらい、僕が彼女と僕の共通の友達のプロデュースをしたことがきっかけで知り合ったんだ。初めて会ってから数ヶ月後にはもう一緒に曲を書き始めていたよ。何か目的があったわけではなかったけど、ただプロセスが楽しくて。で、3、4年前くらいから本格的に活動する話をし始めて、今日に繋がるって感じだね。

Oh Wonder – Without You

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