――色のお話がありましたけど、今日の衣装しかり、シシド・カフカには黒ベースのビジュアルイメージがありますよね。

昔から大好きなんです、黒が。

――じゃあクルマを選ぶにしても黒が良いですか?

真っ白とか真っ赤とかは買わないでしょうね。やっぱり暗めの色ですね。濃紺だったり深緑だったり、あとは黒。

――黒を身に纏うと気持ちは違いますか?

落ち着きもしますし、強くなった気分にもなりますね。前は多分、自分を隠すために黒を着ていたんだと思うんです。あまり見ないでほしいなっていう意味で。「目立たないように」と思って黒を着てました。合わせやすいっていう単純な理由もありますけど、段々と黒を着ている中で自信を持てるようになったというか。黒って強そうな色じゃないですか。自分を強く見せたかったり、強い気持ちを持っていたいときは黒になりますね。

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――では音楽活動の“こだわり”について聞きますが、ライブ前に何か決まってする作業はありますか?

ライブ前には必ずモノを捨てています。モノでもコトでもいいんですけど、例えば、家具を捨ててみたり洋服捨ててみたり。しばらく着てないな、不要なんじゃないかっていうモノをひとつ捨てる。パソコンの中の要らないファイルを削除するでもいいんですけど、要らないものを捨てて、そこに空間を作って、新しい物事が舞い込んで来るようにする。今日のライブで、何かひとつの成果とか感覚とかを得られるような場所を用意するっていうことをしてますね。

――それは何がきっかけで始めたんですか?

昔、手伝っていたバンドにそれをやっている人がいて、「結構いいんだよ」っていう話を聞いて、やってみたら良くて。モノを捨てる行為が大切なのではないんですよね。例えば、何日か前からライブや物事に対して、「何が処分できるかな?」って考え始めるとしますよね。それはその物事に対して自分が覚悟を決めて、意識を集中させることに繋がってるんだと思うんです。そのためのツールとして、モノを捨てているという感じですかね。そうすると、それに対しての準備が自分の中でも出来ていくので、失敗でもいいんですけど、何かちゃんと得るために、ライブを思い切りやれる気がしますね。

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