――カフカさんの活動の軸は音楽にありますけど、モデルやラジオ番組のパーソナリティにも取り組んでいることが、アバルトに見られる“意外性”や“多面性”という言葉とリンクすると思っていて。ご自身を自己分析してみると、ギャップのある人間だと思いますか?

私、意外とお菓子作りが得意なんですよ。焼き菓子がメインですね。

――え?! 最近、作ってますか?

今年はバレンタインに作りましたね。チームの人間にカップケーキを大量に焼いて渡しました。グラム数をしっかり測って、それ通りに進めてお菓子作りをしますよ。最近はさすがに分かりますけど、昔は「塩少々って、だから何グラムよ?」って思ってました(笑)。

――「お菓子作りが得意です」って言ったときの反応って、僕らみたいな感じですか?

そうですね、「お菓子なんて作ったことないでしょ?」って言いたくなるみたいです(笑)。「バレンタインは必ず買って渡します」みたいなタイプに見えるらしく。

【インタビュー】孤高のドラムヴォーカリスト、シシド・カフカが語る、表現者と日常生活におけるこだわりとは? interview131114_kavka_47

――アバルトは一言でいうと、随所に“こだわり”が凝縮されているクルマであることを知っていただけたと思いますが、カフカさんは日常生活の中で、あるいは音楽活動の中でも“こだわり”は意識していますか?

そうですね。小さいことまでこだわりがあり過ぎて、今はそれを外していく作業になっていますね。以前はこの色が好きだったら、もうそれしか身に纏わないとか、音楽もあるものを好きになったら他を聴かないとか、自分に似合わないんじゃないかって考え過ぎちゃって。そうやって固まっていたんですけど、その小さなこだわりを一つ外して広がることがあると感じたんですよね。細部まで言えば、こだわりがあり過ぎて、がんじがらめでしたね。いろんなことが出来ないぐらいに。だから、今はそれを外して、「あ、こっちもあるんだ」っていう選択肢を意図的に自分に与え続けるという感じですね。ゴールを幅広く持たせているというか。

次ページ:【シシド・カフカは黒色が好き】