Interview:Skylar Spence →tofubeats

スカイラー インターネットはどんな風に音楽のありがたみを教えてくれたと思う? 若いころから音楽をダウンロードしてた? 僕らは若くて、独学で音楽を始めた人間だけど、どうやってきみの音楽への愛が形成されたのか気になるんだ。

tofubeats やっぱり10代のころって可処分所得が限られているから、YouTubeができる前のインターネットでも音楽を聴くには十分な設備が整っていたと思う。P2PやWinampを使ったラジオ、Internet Archive(マルチメディア資料のアーカイヴを無償提供しているサイト)や国内外のネットレーベルには多大な影響を受けたよ。あと、日本はレンタルCDショップが充実していたから、効率的に音源を探すためのデータベースとしても早くから利用してた。自分の場合はネットで音楽を始めてから現場に出るまで3年くらいの月日があったから、手法についてもインターネット経由で学習したところが多かったと思う。あまり得意じゃない英語のサイトとか、一生懸命読んでいた気がするよ。

スカイラー もしかしたら他の人には常識かもしれないけれど、気になることが一つ。〈マルチネレコーズ〉との関係を少し教えてもらえるかな? 僕のお気に入りのレーベルの一つで、tofubeatsの音楽を聴くきっかけになったんだ!

tofubeats 僕が中学生のころ、日本にはまだ“ネットレーベル”というものが数えるほどしかなかったから、インターネットでMP3を探していたら自然とぶつかる存在だったんだ。そこで当時はまだブレイクコアやスカムな音源をリリースしていた〈マルチネレコーズ〉を見つけるんだけど、ファウンダーが自分と一つしか年齢が違わないのも衝撃だった。後に高校生になってから、〈マルチネレコーズ〉から今でも異色な映像作品をリリースしていたimdkm(イミジクモ)がブログで僕の音源を紹介してくださって(それを僕はトラックバック機能で知ったんだよ。懐かしい!)、そこから〈マルチネレコーズ〉界隈と直接の交流が始まった。自分は当時の〈マルチネ〉の毛色とは離れていたから、リスナーとして、だったけどね。その2年後、ヒップホップを作っていた自分が初めて作ったハウスのトラック達を、別名義でリリースしてもらうようにお願いしたのがdj newtownの『flying between stars』。そこからは長い付き合いになったんだ。

スカイラー これから先1、2年、きみの音楽はどこに向かってると思う? 何か新しく好きになりそうなものがある? それともある位置に落ち着き始めている?

tofubeats 15年に入ってから明確なトレンドが失われているから、指標となるモードはなくなりそう。これまでも、これからも定期的に好きになる音楽はたくさんあると思うけど、それらを通す自分自身の視点がきっちり自立してないと、しばらくは音楽を作るのが難しい気がするよ。

tofubeats×スカイラー、お互いに訊きたいことって? interview150928_skyler_1-780x771

『POSITIVE』ジャケット

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