【インタビュー】日本語であることの可能性。環ROYが『なぎ』に込めたラッパーの在り方とは? tamakiroy_6-700x467

ライブ、パフォーマンスについて

——こういう新作ができたことで、今度はライブのやり方にも影響が出そうですね。リリース後にライブも予定してますよね?

はい、やります。どうしようって頭を抱えてますね(笑)。自動演奏の上で淡々とラップする以外にまだ思いつかないんですよ。

——それだと、従来と同じやり方じゃないですか?

そうなんですよ。最初にも話したんですけど、そもそもの枠組みとして、どんな場所でやるかって部分から考えたいとは思っています。けど、なんていうんですかね、舗装されてる道は、乗用車でも全然平気なんですけど、獣道って乗用車じゃ無理じゃないですか。

——アスファルトじゃなかったら特注で車を作らなきゃいけないですよね。

そうですよね。キャタピラつけたり、場合によっては装甲車とか。

——そうですね。

もろに経済原理の現実ですけど、やる人が少ないことをやろうとするとお金がかかるんですよね。そうなってくると、やっぱり舗装されている道、使わせて頂きます、ってライブハウスを使わせてもらうことが多くなると思うんです。そういう意味では、ポピュラーミュージックからはじめたという活動の原点に戻る。でも、そのなかで、すくない手数で、どう脱構築するか、通常の鑑賞体験とは違うものを見せていくかっていう、そういうことは考え続けたいと思ってます。引き算で、既存のフレームをズラせたらいいなって。

——なるほど。素朴にパフォーマンスしてもよさそうなCDではありますよね。

ただ、いま考えているパフォーマンスの志向として、最終的には、電気なしで1時間くらい成立させられることを磨いていきたいと思ってるんです。音が小さくてもできることをやっていきたい。おじいちゃんになった時にもできて「それなりに見応えあるね」って言ってもらえるなにか。自分の身体だけっていう、人間のスケール感に収まるなにか。そういうことは漠然と考えています。

——音が小さいってことは動員も限られますよね。

そうなりますよね(笑)。パフォーマンスについては、いまは、そういう、手の届く範囲での可能性を掘り下げてみたいって思っています。

【インタビュー】日本語であることの可能性。環ROYが『なぎ』に込めたラッパーの在り方とは? tamakiroy_3-700x467
【インタビュー】日本語であることの可能性。環ROYが『なぎ』に込めたラッパーの在り方とは? tamakiroy_2-700x467

RELEASE INFORMATION

なぎ

【インタビュー】日本語であることの可能性。環ROYが『なぎ』に込めたラッパーの在り方とは? tamakiroy_1-700x467

2017.06.21(水)
環ROY
¥2,600(+tax)
[amazonjs asin=”B06Y5DKQRN” locale=”JP” title=”なぎ”]
詳細はこちら

EVENT INFORMATION

環ROY なぎ ワンマンツアー 2017

2017.08.04(金) 東京 渋谷 WWW
2017.08.18(金) 愛知 名古屋 Spazio-Rita
2017.08.19(土) 宮城 せんだいメディアテーク
2017.08.24(木) 福岡 天神 the Voodoo Lounge 
2017.08.27(日) 大阪 心斎橋 CIRCUS
詳細はこちら

EVENT INFORMATION

島地保武×環ROY ありか ツアー2017

2017.09.08(金)〜10(日) KAAT神奈川芸術劇場
2017.09.15(金)〜16(土) 春日井市民会館
2017.09.18(月・祝) 知立市文化会館
2017.09.23(土)〜24(日) 山口情報芸術センターYCAM
詳細はこちら

text & interview by さやわか
photo by 後藤 武浩