——“白と黒の~”の、この白と黒は鍵盤で言うところの白鍵と黒鍵のことですか?

谷中 そうです。鍵盤の上で情熱がカラフルに暴れ出す。そんなイメージがあって。そういった意味でのモントゥーノって言葉を使わせてもらったところもありました。

——あとは疾走感やリズム展開も面白かったです。

加藤 どうしても先ほどのサルサやモントゥーノに耳が行きがちですが、リズムセクションに関しては凄く今の日本のフェスを意識しました。疾走感や勢いもそうですが、ドラムのパターンがどんどん変化していく、あの感じとか。今の日本の音楽シーンの中でコミットする要素が満載ですから。その日本の音楽シーンとラテンの要素のミクスチャーは目指していたし。それがとても上手くいったかなって。

NARGO 最近、南米に行って、アニメやファッション、アニソンも含めジャパンカルチャーの中でも、日本の音楽がイケている実感が凄くあって。今やYouTube等もあり、予備知識も得られやすいことも関係しているんでしょう。自然に受け入れてもらえる土壌があるんですよね。

なので変に向こうに合わせなくても、自分たちの音楽をそのまま持ち込んでも受入れられるし、歓迎される。そんななか斎藤君の歌声は、今の日本のカルチャーに凄くマッチするし受け入れられるでしょうから。そう考えると日本国内もですが、海外に向けても人気が高まってもらえると嬉しいです。

「今後も自分たちの活動と直結したり、自身のモードやカッコイイものをパッケージしていく」(加藤)

——M-2の“WORLD RUDO CONNECTION”は、ロス・アウテンティコス・デカデンテスとのコラボですね。

谷中 アルゼンチンのバンドで今度結成30周年のライブをメキシコで行ない、6万人ぐらい集めてしまうバンドとの楽曲です。アルゼンチンでは完全にスカがメインストリームで。もう一つ、ロス・アウテンティコス・デカデンテスというバンドもメキシコで6~7万人集めちゃうんですよね。自国でもないのに。

NARGO もう、向こうでは信じられないぐらいのスーパースターバンドで。アルゼンチンでの僕らのライブでは、一緒に歌ってくれたこともあるんです。これにはライブハウスの方も驚いていて。

加藤 僕らのアメリカのレーベル〈Nacional〉が繋いでくれたんです。

谷中 その前にも自分たちのライブをメンバーが観てくれたこともあって。

NARGO メキシコでは自分たちのことを「東京スカ」と呼んでくれて、若干認知もされているんです。6万人のスタジアムで先のロス・アウテンティコス・デカデンテスのオープニングアクトを務めさせてもらったこともあったし。

——この曲はNARGOさんが作曲で。

NARGO 仲良くなってからは、「いつかやろう!」的な話をしていたんです。まずはタイトルが思い浮かんで。

——タイトル、いいですよね。なんかシンジケート感がある。

NARGO 世界中回ってみると、スカのファンって各国にいることを実感するんです。それが全部繋がったら凄いことになるんじゃないかって。そういった曲を作りたくて。そんな世界中のルーディーたちが繋がれる曲を。

谷中 どこの国にも大なり小なりスカ横町がありますからね。でも、これはロス・アウテンティコス・デカデンテスからも、「タイトルが凄くいい!」って誉められましたよ。

加藤 先日の僕らのライブでもアンコールで出てくれて、一緒にやってくれたんですが最高でしたね。興奮したし。息もピタッと合ったし。スカのビートの強さや惹き込む力を改めて実感した、スカ横町ならではの繋がり方を感じました。

【インタビュー】東京スカパラダイスオーケストラ、USG斎藤を迎えた最新作とその化学変化を語る MG_9072-700x467

——M-3.の“Moon Bow”はインストですね。

加藤 インストはインストの面白さを追求したいし、伝えたいところもあり、入れました。インストの気持ち良さも僕たちの持ち味の一つでもありますからね。ライブと作品とでアレンジが違うのも面白いかなって。

——その辺りをもう少し詳しく。

加藤 元々のデモは、もっとオーセンティックな雰囲気だったんです。そこから音数をどんどん減らしていって、音色を近くに感じてもらえるような作りにしてみました。

——間にはダブ処理も交えていて。凄くインストならではの景色感があります。

谷中 ここでは僕がアルトフルートを吹かせてもらっていて。今年買ったので早速起用してみました(笑)。全体的に綺麗な曲ですよね。沖ならではの世界観でしょう、これは。

——そう考えると今回はこの3曲それぞれでフェス向きな印象があります。“白と黒のモントゥーノ feat. 斎藤宏介(UNISON SQUARE GARDEN)”は一体感、“WORLD RUDO CONNECTION feat.Los Autenticos Decadentes”は共有感、そして“Moon Bow”では、野外のシチュエーションともマッチしそうな曲といった具合に。

加藤 言われてみると。これからもシングルとしては、歌ものを取り上げつつも、その裏側では僕らの活動がダイレクトに発表出来たらと思っています。

——それは?

加藤 今作だったら、南米のアーティストも紹介したいし、インストの面白さも毎回紹介していきたいって部分ですね。今後もなるべく早いペースで、スカパラのその時々の活動みたいなものが作品として落とし込めたらなと。今後も自分たちの活動と直結したり、自身のその時々のモード、自分たちがいまカッコイイと思っているものやピンときているものをパッケージして発表していきたいです。

【インタビュー】東京スカパラダイスオーケストラ、USG斎藤を迎えた最新作とその化学変化を語る MG_9009-700x467

RELEASE INFORMATION

白と黒のモントゥーノ feat.斎藤宏介(UNISON SQUARE GARDEN)

2017.11.29(水)

〔CD+DVD〕
¥2,300(+tax)

〔CD only〕
¥1,200(+tax)

<収録内容>
-CD-
M1.白と黒のモントゥーノ feat. 斎藤宏介(UNISON SQUARE GARDEN)
M2.WORLD RUDO CONNECTION feat.Los Auténticos Decadentes
M3.Moon Bow
M4.白と黒のモントゥーノ feat. 斎藤宏介(UNISON SQUARE GARDEN)Instrumental

-DVD-
「白と黒のモントゥーノ feat. 斎藤宏介(UNISON SQUARE GARDEN)」MUSIC VIDEO
「Latin America Tour 2017ドキュメンタリー前編」
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EVENT INFORMATION

2017 ライブハウスツアー「涙後体前」

2017.11.30(木)、12.01(金)
OPEN 18:45/START 19:30
広島・広島CLUB QUATTRO
問:キャンディー・プロモーション広島 082-249-8334 

2017.12.04(月)、12.05(火) 
OPEN 18:30/START 19:30
愛知・名古屋DIAMOND HALL
問:JAILHOUSE 052-936-6041 

2017.12.11(月)、12.12(火)
OPEN 18:15/START 19:00
大阪・なんばHatch
問:キョードーインフォメーション 0570-200-888 

2017.12.16(土)
OPEN 17:00/START 18:00
東京・豊洲PIT
問:HOT STUFF PROMOTION 03-5720-9999 

2017.12.22(金)
OPEN 18:00/START 19:00
福岡・DRUM LOGOS
問:キョードー西日本 092-714-0159 

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EVENT INFORMATION

仙台カウントダウンライブ 2017-2018
「スカパラ・オールスターズ大感謝祭」at 仙台サンプラザホール 

2017.12.31(日)
OPEN 21:30/START 22:30
仙台サンプラザホール

詳細はこちら

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interview & text by池田スカオ和宏