「いいものを常に提供し続けていく先に、いつか色々な人に繋がってもらえると嬉しい」(亜沙)
——今後五輪に向けて海外から日本に大勢の方が来る時代が、そこまで来ていますが、それに際して、和楽器バンドとして何か目論んでいることがあったりは?
いぶくろ 僕らの音楽や背景にある日本の文化までも合わせて知ってもらえる絶好の機会ですからね。
——私は和楽器バンドの専用劇場を作ることを提案します(笑)。ここに行けば、和楽器バンドのライブが観れる。観光スポットの一つになると思います。
鈴華 それ、いいアイデアですね。面白いかも。今、日本人は全然知らないけど、海外の人は知っていて、日本に来ると遊びにいくお店ってけっこうありますもんね。
山葵 『シルク・ド・ソレイユ』のようなスタイルで一ヶ月ぐらい専用劇場で連続公演する(笑)?
鈴華 いやいや。海外の方もですが、まずは国内にもっと認知してもらうことからでしょう!
——武道館でも早々にライブをやったり、地上波の音楽番組や情報番組にも何度かご出演されているので、認知的には日本国内では大丈夫でしょう。
鈴華 ところがそうでもなくて。まだ、知っている人は知っているレベルですからね。私たち見た目もこういった格好なので、見た目だけで判断されて聴くところまで至ってもらえない現状もあって。
神永 いわゆるイロモノや奇をてらっているバンドと思われていることもあるようで……。
町屋 実際、食わず嫌いな方も多いんですよね。それもあり、今後はますます聴いてもらったり、ライブを観てもらえる機会を増やしてはいきたいんです。それから、バンド全体もですが、個人個人も凄いので、人間性やキャラクターも含めて、まずはそこも知ってもらえる何かがあるといいかなって。
亜沙 それらはもちろん、やはり活動をキチンと継続していくことでしょう。これからも、ひとつひとつの積み重ねを続けていく。かけ算ではなくしっかりと足し算をして積み重ねていく。そこも重要ですからね。その、いいものを常に提供し続けていく先に、いつか色々な人に繋がってもらえると嬉しいです。
神永 入り口や間口は広くもっているので、是非どこからでも良いので入ってもらいたいです。
黒流 “こういった音楽もあるんだ……”と入ってもらい、逆にこれまで知らなかった和楽器の奥深さや可能性にも興味を持ってもらって、自分たちでも始めてもらえたら嬉しいです。なるべく色々な方法で今後はみなさんの前には出ていきたいですね。
「和楽器とロックバンドのフュージョンをこれからもし続けていく」(町屋)
——そんな方々にも入り易いベストアルバム『軌跡 BEST COLLECTION+』が今回発売されますね。今作はこれまでのみなさんの活動や発表楽曲の縮図であり、キチンと今後も伺える作品内容だと映りました。
町屋 まさしく、これ1枚を聴いていただければ、我々がどんなバンドかが一目瞭然な作品ですね。まさにおっしゃる通り、この作品が我々和楽器バンドの縮図でもあって。最初の頃の荒削りなところや手探りなところがありながらも、当時の日本の文化を縮図的に表そうとした時期、それが段々と変化してきて整理もついてきて、今のサウンドや音楽性に至ってきた過程が手に取るように伝わってもらえると思うし。これまでの我々を総括するにも良い作品かなと。
鈴華 曲の並びもリリース順で、昔から現在に歴史を辿れますからね。これまで色々なことをやってきているし、タイプも様々なので、どれか一つは好きな曲があるんじゃないかと。
町屋 「このアルバムを聴いて好きな曲が無かった人は、きっと和楽器バンドが生理的に苦手でしょう」ぐらい、幅広いストライクゾーンを持った作品でもありますからね。
亜沙 自分たちでも聴き返して懐かしかったですよ。聴きながら、「こんなこともしたな……」「あんなこともしたな……」と色々な光景が蘇ってきたし。濃かった反面、まだ4年しか経ってなかったんだな……とも改めて感じたり。ギュッと詰まった濃い一枚ですが、まだまだなところも自分としてはありました。
——最初からコンセプトがしっかりとして活動を続けてきたバンドということもあり、色々なことをやったり、取り入れたり、挑戦し続けてきたものの、芯はブレていない不思議さはありました。
鈴華 “私たちのジャンルって何だろう……”と自問自答を繰り返していた時期もありましたが(笑)。でも、ある時から「私たちのジャンルは和楽器バンドだ!!」と悟ったんです。「私たちは、これからもジャンルフリーで自由に自然にやっていけばいいんだ!」って。そこから更に幅やフレキシブルさに繋がっていきましたからね。どの曲も「これが和楽器バンドです!」と、自信を持って提示できるようになったんです。
——3曲収録されている新曲はいかがですか? タイプもそれぞれ違っていて興味深く聴かせていただきました。
亜沙 各曲で和楽器バンドらしさは保持しつつも、新しいものを入れ込んだり、挑戦は出来たかなって。一見保守的に映るかもしれないけど、このバンドがある一つのことをやり続けてきた、その姿勢やマインドが僕はいいと思っていて。これらの新曲にしても、和楽器バンドのイメージを崩さずに新しいことに挑戦できた感はあります。
和楽器バンド / 「シンクロニシティ」MUSIC VIDEO
——分かります。新曲たちに関しては、変化というよりも進化を感じました。
神永 自分たちの枠をまた一つ大きく出来たかなって。
——今後の和楽器バンドのビジョンをお聞かせ下さい。
町屋 僕らの音楽ジャンルって、フュージョン〈融合〉ですからね。和楽器とロックバンドのフュージョン。これからもフュージョンし続けていきますよ。
鈴華 私は常に、このバンドは敏感であれと念頭にやっていきます。
——それは常に時代や周りにアンテナを張って……的な?
鈴華 そうです。やるべきスタイルが見えていて、守っているものもあるんだけど、新しいこともどんどん取り入れてやっているので、そんな中、「今やるならこういった形がベスト!」といったものをいつまでも常に提示していきたいんです。今後も、その都度その都度、自己を更新していく所存です。
和楽器バンド / 11/29発売「軌跡 BEST COLLECTION+」トレーラー映像
RELEASE INFORMATION
軌跡 BEST COLLECTION+
2017.11.29(木)
和楽器バンド
・MUSIC VIDEO盤
CD+2DVD / CD+Blu-ray
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・LIVE盤
CD+2DVD / CD+Blu-ray
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・CD ONLY盤
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interview & text by池田スカオ和宏