2日目
早朝散歩。待望の州議事堂とステーキ屋
テキサス2日目。奇跡的に早起き出来た。まだ日も出てない時間帯だった。ゆっくりベッドを降りて、背伸びして、適当な服を着て、僕は一人で散歩に行こうと思い立った。ロビーを降りると、道を挟んで向かい側にブレークファーストを取れる場所があった。まだお腹はそんなに空いておらず、コーヒーを片手に、洋ナシをジャケットのポケットにしまいこんでホテルを後にした。オースティンの朝は少し寒い。どうせインスタントだろうけど、このコーヒーがまた沁みた。
自分はどうしても州議事堂をいち早く見たかった。すぐ隣だったけど、隣接してるビルに隠れてその姿は見えていなかった。ビルを通り過ぎると右目に緑園が広がっていて、静かで美しい。でも、90度体を右にするとその姿が見えた。自分が今まで見たことない様な建物だった。威厳と美しさがあり、本当に目を奪われた。建物に近づけば近くほど日は登り、また違う表情を見せていた。建物の上に大きな塔があって、赤く光っていた。
建物の周りには、過去の英雄らしき銅像が大きな木に負けないスケール感で僕を見下ろしていた。興奮し過ぎて、インスタのストーリーにあげてしまった。この興奮を誰かと分かち合いたかった。散歩はその後メインストリート、ホテル近くの立体駐車場まで行った。集合の9時半までに朝ごはんは食べたかったので、戻るとすでにメンバーが朝食を食べていた。僕は、ポケットに入ってた洋梨を何ごとも無かったかのように食べた。
オースティンでの初めてのライブ、ジャパン・プレビューショーは早かった。といっても、16時過ぎだったけど、それでもトリだった。その前に<SXSW>のパスを取りにコンベンション・センターに。パスを取ったその足で<ジャパン・ナイト>のオードリーさんにばったり。一緒に記念写真を撮って、今日明日のライブの意気込みを伝えた。ライブ会場のヴアルハラはホテルから遠くも無かったし、手で機材は運べるぐらいの距離だったから歩いて向かった。
行く途中で、やはりライブがたくさん行われていた。その中でも、スーパーオーガニズムは見たかった。会場に着くと、ぼくらは荷物を所定の場所に置き、最初のライブまで時間があるので、近くのステーキ屋へ。本当はフランクリンという所が有名だったが、長蛇の列で、2時間並ばないと食べられないから、会場の近くのステーキ屋に。うまい。リブも、ブリスケットも、プルドポークもうまい。お腹を一杯になって、僕はライブハウスへと向かった。
ついにAttractionsのライブ。地元民と生んだ一体感
TENDOUJI、ドミコ、マキナちゃんのライブを見てたが、おそらく中のモニターは無いものとして捉えるべきだとメンバーと話した。どのバンドも皆んな日本のバンドとしてのプライドを全力でぶつけてた。かっこいい。本当に気合い入った。本番5曲、僕は気持ち良く歌った。メンバーも楽しそうだった。特に最近サボりがちだったMassiveのコーラスがよく出ていて、嬉しかった。
演奏の合間にMCで「今日はフランクリンってBBQに行こうとした」という話をすると「それはマジでねえよー」「あそこマジで列が長いだけだから」。なるほど地元福岡で言う一蘭や一風堂みたいな存在なのか。観光客に人気の店と地元民に人気の店はそれぞれあるんだな、と親密感を覚えた。MCで地元民と打ち溶けたこともあり、ライブは盛り上がった。黒人の女性が踊ってくれたのが相当嬉しい。物販もその日、一番売れたのも嬉しかった。皆が来てくれてありがとうと言ってくれた。今夜も、良く寝れそうだ。
3日目
レコードとコミック探しに白熱
テキサス3日目、この日は<ジャパン・ナイト>。大目玉のイベントだった。朝から夕方まではオフだったから、僕の一つの目標でもあった、レコード巡りとコミック・ブック巡りの旅に出るつもりだった。その朝はみんなでまた軽くブレークファーストをとり、昼には昨日ライブ会場にいた人に紹介してもらった「クーパズ」へ。こんな柔らかいビーフは食ったことない。昨日のステーキ屋さんを軽く超えて美味かった。感動した。腹パンパンのパンでした。
しばらく動けないので、休憩がてら、コンベションセンターでポスター展を眺めたりと、軽く時間を潰した。それからはみんなそれぞれ解散して各々の時間。僕の目的は2つ、レコードとコミック。
2日目のオースティンと3日目のオースティンは日の表情がまるで違う。今日は日差しが強い、日焼け確実。僕はまずは、東側のフリーウェイを渡って住宅地に。一つ道を間違えば、俺は怖い人に取り囲まれる可能性大。そんな雰囲気だった。怖かったけど、勇気振り絞って歩いた。たどり着いたコミックブックショップは「ホップスアンドヒーローズ」というところで、相当小さく、かなり限られたコミックしか置いていなかった。自分が探してたものはどこにもない。がっくり。
せっせとダウンタウンに戻って、今度は西側に向かってひたすら歩いた。流石に喉乾いたので、初日に酒が買えなかったあのコンビニに入った。ゲトレードのフルーツポンチ味にした。うん、微妙。といいつつも、喉乾いてたからごくごく飲んだ。このダウンタウンのストリートは夜と昼じゃあまるで表情が違い、優しかった。家族連れも多かった。ライブももちろんバンバンやっていたが、優しかった。マリオのワールド1-1ぐらい優しかった。歩き続いた結果今度はビジネス街に入った。その先には僕の最終目標である、大型書店とWaterloo Recordsがあった。大型書店で目当てのコミックが全てあった。嬉しくてついついたくさん買ってしまった。
その後、レコード屋に入ったは良いものの、ほぼ全部のお金をコミックに費やしたので、これは見るだけだと覚悟して入店。やっぱりほぼ全部新品もしくは高めの中古だった。絶望した矢先あるコーナーに気づいた。99centコーナー、すぐ隣にはターンテーブル。80s、90sのディスコ・R&B・ハウスが結構あってびっくりした。6枚買って6ドルは切っていた。いい買い物をした。気分も良かったので帰り道は西側の住宅街を通って帰った。美しい住宅街だった。アメリカ南部形式の古い家や、モダンな家まで、まるで青春ドラマの世界に入ったみたい。ここは平和そのものだった。
長蛇の列に燃えるメンバー。バンドの可能性を感じたステージ
ホテル戻って、既にクタクタだった。歩きすぎた。でも今日ライブがあるから、このまま寝たら負けだと思い、ずっと起きていた。今日のライブ会場のイリジウムは広い。リハは一瞬だけあったが、すぐ終わった。本番までが長い。オープン前に外に出るとそこには長蛇の列が、正直興奮した。目が一気に覚めて、気合いが込み上げて来た。タケとmassiveはお酒を飲んでて気分が良さそうだった。本番前に曲のセットリストを確認しながらも、メンバーの目の奥で燃える炎を再確認。
あっという間に、ライブはいつの間にか終わっていた。緊張したけど、本当にやって良かった……。まだまだ課題の多いステージだったが。自分達のこれからの可能性と、目標にしていた世界を飛び回るバンドのビジョンが見えた。やはりこの日も、沢山の方々に声を掛けてもらった。励みになった。今日は気分が良いので、酒が美味しい。