4日目

洋服屋巡り。改めて考える、オースティンという町

オースティン4日目。最終日だった。この日はみんなで早めに起きて、洋服屋巡りに出かけた。最初の目的地は少し遠かったので、ここで初めてウーバーを使ってみた。やっぱりアメリカでウーバーは一般的なものだったからすぐに来た。乗っている途中、大学街らしきところを通る。ピクニックしてる人影も沢山あった公園もあって、スニーカー屋、バーガー屋、古着屋、ミリタリーショップ、どれも飾り気の無いバックグラウンドとして機能してるように見える。余りにも、その人々が自然体だからだ。いちいち絵になる。

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最初の目的地のリサイクル古着屋にたどり着いた。日本の西海岸という古着チェーン店に似てるかも。とにかく店が大きい。意外にも状態の良いものが多くて、正直感心した。アメリカ人の管理が大雑把なイメージがあったからだ。服を二着ほど買った。全部で4ドル。良い買い物をした。その後TENDOUJIチームと合流して、学生街に程なく近い、小規模な古着を二店舗ほど回った。TENDOUJIチームは相当ディグに熱中、古着好きが本領発揮していて、みんなで時間全然足りないねと話していた。TENDOUJIはサンフランシスコでレコーディングすると聞き、相当羨ましかった。

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シークレットライブで、とにかくフロアを踊らせる

この日は実はシークレットライブがあった。何も情報が無い中で、住所だけで飛び込んだライブも初めてだった。面白い。ライブ会場はリバティーというところで、メインの<SXSW>と関係なくローカルなイベントだった。すごくチルは雰囲気だった。中入るとすぐバーがあって、左手には簡単なPAシステムがあった。ステージ目の前の3歩階段上がってストリートファイター2のアーケードゲームが見える。アーケードゲームのすぐ隣に外に繋がるドアがあって、外には20〜30人は座れるテラスとフードトラックがあり、凄く素敵だった。

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ライブが始まる40分前に、この3日間PAを手伝ってくれたブライアンが、「タロウやばい」「ん? どうした?」「お前らの前のバンドの車が動かなくて来れない!」。なるほど、今からライブを長めに50分やってほしいと言う事だった。喜んで承諾した。ライブが始まる、直前。お客さんはほぼゼロからのスタート、燃える。誰一人僕らの事をどこから来たかもわからない人達の前で、僕は歌い始めた。そうすると、みんな踊り始めた。今まで、一番感情的に歌えた気がする。自分の曲でみんなと踊れる気持ちは忘れられない。この気持ちは一番の宝だった。どんな宝石よりも、輝いていて、美しい。ピュアで自然体な歌が歌えた。ゼロだったお客さんは、フロアでいっぱいになっていた。ライブ後、沢山の人が話しかけてくれた。「また来て欲しい」「このフロアで人が踊ってるのをみるのが久々だ!」とか言ってくれた。凄く最高。

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ホテル戻ると、僕らは公園に散歩に出かけた。涼しくて、霧がかかっていて、良い夜だ。5時間後には空港で帰るのだ。寂しくなった。あの美しい州議事堂をバックに僕らは、芝生に座り始めた。今後のバンドの将来を熱く語った。言えなかった自分の事を語り初めたメンバーも居た。僕は、頷きながら、嬉しかった。僕らはこの旅を通して自分らしさを手に入れた気がするし、自然体でいる事を学んだ気がする。これがオースティンが教えてくれた事だった。この夜は深夜までメンバーと楽しく過ごした。

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結局自分は寝る暇もなく荷造りを初めた。眠くなくて、凄く変にハイな気持ちだった。ポジティブな気持ちだった。何故なら、オースティンという場所にいつでも帰れる場所が出来たからだ。重い荷物を引きずって、僕らはホテルを後にし、タクシーに乗って空港を目指した。タクシーで見る風景は変わらず美しい。また来年も、オースティンで歌おう。

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text by TARO

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