全てが一級品。いぶし銀、谷佳知選手

次はパ・リーグから。オリックス・バファローズの谷佳知選手。打ってよし、走ってよし、守ってよし、正に三拍子が揃った選手でした。

▼Frank Stallone – Take You Back (Rocky)

谷選手の選曲は、映画『ロッキー』(76年)の作中、アカペラで歌われていた、“テイク・ユー・バック”。歌っているのは、主演のシルヴェスター・スタローンの弟、フランク・スタローンです。この曲、すごく良い。けれど着眼点としてはかなり渋い。どうしてこの曲を選んだのか、一番気になった選手でもありました。引退会見でもしかしたら記者の方が聞いてくれないかな、と期待してましたが、やっぱり、聞かれませんでしたね。寡黙に目標に向かって努力するロッキー・バルボアの姿は、谷選手と被るところがあります。派手さはないが、腕は一流。一人の名選手がまた球界を去ります。

偉大なる守護神、斎藤隆選手

日米で活躍した、東北楽天ゴールデンイーグルスの斎藤隆投手も今年限りで引退を発表しました。あの大魔神、佐々木からクローザーとしてのバトンを引き継ぎ、負けず劣らずの活躍をした本当に凄い投手でした。

▼Queen – The Show Must Go On (Official Video)

選曲はクイーンの“ショウ・マスト・ゴー・オン”。名曲ですが、クイーンの曲の中では日本だとまだ認知度の高い曲があるはず。しかし斎藤選手はこの曲をチョイス。春季キャンプ中に右ひじに遊離軟骨の除去手術を行うが、1軍登板できずにシーズンを終えた年がありました。プレーオフ進出に向けて絶対に負けることのできない試合で打ち込まれた時もありました。しかし、どんな状況でも彼は投げ出さず、前だけを見て結果を残してきました。ショウ・マスト・ゴー・オン。プロ野球選手でいる以上、ゲームを放棄することはできない。歩みを止めることはあってはならない。ショウ・マスト・ゴー・オン。この選曲に宿った斎藤選手の想いをもう少し噛み締めたいと思います。

稀代の安打製造機、和田一浩選手

最後は中日ドラゴンズ、和田一浩選手。史上3人目のセパ両リーグ1000安打を達成した凄いバッターです。独特の構えでバッターボックスに立つ和田選手。なぜだかわからないけど、「なんか打ちそうだな」と思わせる選手でした。西武ライオンズですでにスタープレイヤーでしたが、地元愛で中日ドラゴンズへ。これだけの有名選手がドラゴンズへ移籍した記憶はあまりありません。やはり、巨人が多いですもんね。しかし和田選手は子供のころからファンだったドラゴンズへの移籍を決断します。ここで引退試合のインタビューを少し抜粋。「僕もドラゴンズの選手にあこがれたように、僕自身もそんな存在になれたのかなと、ちょっと不安な気持ちと、なれたんじゃないかなという達成感と両方混じってますけれども、野球って本当に素晴らしいものだと思いますし、一人でも多くドラゴンズのユニフォームを着た少年たちがいっぱいでてくるといいなと思います。」本当にドラゴンズを愛していたんですね。和田選手に憧れている子供なんていくらでもいると思いますよ。和田選手がドラゴンズを愛する以上に、ドラゴンズファンから愛されていたと思います。そんなドラゴンズの宝、和田選手の登場曲はこちら。

▼ONEPIECE ウィーゴー[高音質]

引退後は麦わらの一味に入団が決定している模様。「ワノ国」あたりで合流でしょうか。とにかく期待して待ちましょう。

続・プロ野球登場曲が気になる~、いかがでしたでしょうか。知らなかった、または意外! と思う箇所がいくつかあったのではないでしょうか。妄想で綴ったところも多々ありましたが、そうやってストーリーを勝手に組み立てるのも、正しいスポーツの楽しみ方でもあると思います。

何かの“楽しみ方”。それは一人ひとり違い、そのどれもが輝く宝物のようなもの。そしてその宝物は、どれだけ他者と分かち合っても減ることがない、という特性を持ちます。音楽×スポーツという宝を皆さんが受けとっててくれたら嬉しいです。新しい楽しみ方を手に入れ、そして、これから始まるクライマックスシリーズと日本シリーズを心から楽しみましょう!

edit by Qetic