奇跡の再結成。大規模なワールド・ツアーへ!
Blur –“The Universal”(Live at Hyde Park 2012)
そんな4人の関係に転機が訪れたのは、08年のこと。ここでグレアム脱退以来初めて4人でのランチの場が設けられ、再結成に向けての歯車が回り始める。そして09年には、「友情を取り戻すため」にハイドパークで復活ライヴを敢行。この日のハイライトとなった“Tender”はもちろんのこと、大観衆と共に《It really,really,really could happen(=それは本当に起こりえる)》と合唱された“The Universal”のサビは、長い回り道を経たこのバンドの再結成を象徴するようでした。そうして復活した彼らは、大規模なワールド・ツアーの日程を発表。ここには、これまであまり訪れることのなかった中南米や東南アジアの日程も。そして、まさにその大規模なツアー中、出演予定だった日本のフェスが中止になって急きょ出来た5日間のオフ日に、滞在先の香港でレコーディングした音源が、今回の『ザ・マジック・ウィップ』に結実します。とはいえ、録音したとの情報はあったものの、この音源は一向にリリース日も決まらず、一度寝かされることに。そしてデーモンはソロ作『エヴリデイ・ロボッツ』をリリースし、<フジロック’14>で来日。そのステージは今の彼ならではの円熟した魅力に溢れていて、「ブラーの新作はもう出ないかもしれないな」と改めて思った人も多かったことでしょう。
Damon Albarn –“Lonely Press Play”