Wild Colour “Dreams BT Circadian Dream Mix”〈Perfecto〉

1995には1stアルバム『Ima』をリリース、SashaやOakenfoldのサポートもありシーンでもその存在感を大きくする。またここからの数年間、彼は非常に高いテンションで作品を作る時期を迎える。さらにちょうど頭角を表しはじめたPaul van Dykとの交流もSashaの紹介によりスタートする。そう、90年代後半はSashaもPVDもOakenfoldも同じような方向を向いていた幸せな時期だった。そんな中、この時期数々の名リミックスをBTは作っている。このWild ColourのDreamsは70年代にFreetwood Macが大ヒットさせた曲のハウス・カバーで、後年Deep Dishもカバーしてヒットさせている名曲だ。このBTリミックスの素晴らしいところはハウスをトランス・マナーでリミックスすることに見事なまでに成功しているところだ。この時期は、まだトランスというスタイルもいろんな可能性を持っていたことが良くわかる。

Grace “Not Over Yet BT Spirit Of Grace Mix” 〈Perfecto〉

前述のDreamsと同時期にリリースされた〈Perfecto〉レーベルの歌姫Graceのビッグ・ヒットのBTリミックス。Paul Oakenfoldのプロデュースでポップ・フィールドでの大きな成功を目論んでつくられたプロジェクトだったけれど、この時期の数枚のシングルは最高のクラブ・ヒットとなっている。ここで聴くことのできるBTの細かく組まれたビート、ドライブするベース・ラインそして目の前に美しい水平線が広がるようなピアノ・フレーズ、ここで見え始めた彼のオリジナルなスタイルがいよいよ次のシングル“Flaming June”で実を結ぶのである。