■クラウド・ナッシングス
「日本人であそこまでストイックに、あのパワーの曲を延々と続けるのって難しいと思うんですけど、かっこよかったですね」
(ヤマシタ)
「最近ハードコアは聴いてなかったから、久しぶりに聴きたくなりました」
(ルンルンちゃん)
「僕は昨日のソンが一番よかったですけどね。お酒が進む感じでした」
(コマゾウ)
「爆音で“I’m Not Part of Me”が聴けて満足です。あと、凄いパワーで叩いてたドラムの人の体型がひょろひょろじゃないですか。でも演奏しているのを見ると、あれだけ激しい音を出してたら痩せるのも納得だな……と(笑)。ますますかっこいいバンドになってて惚れ直しました!」
(ミヤタ)
■キャット・パワー
「2つあるマイク・スタンドに驚きました。ひとつが普通のマイクで、もうひとつがエフェクトのかかったマイクで、その2つでハモってしまうなんて!!」
(ヤノエリ)
「曲が終わるたびにフラフラしていてなかなかライヴが進まなくて、周りの人たちが『酔っ払ってるんじゃないの?』って会話してました(笑)。でもすごく楽しかったです。最後の方でステージに投げ込んでいた白い花(13年のフジロックでも行なった恒例の演出)はゲットできませんでした……!」
(コヤマ)
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この日のトップ・バッター、ザ・ボヒカズは、黒人ギター&ベースをよれながら突っ走る荒っぽいグルーヴに日本語MCも加えて観客を煽る。“XXX”や“Swarm”では既に歓声が上がっていた。それに対して、2作目『ジョイン・ザ・ドッツ』を引っさげてやってきたトーイはシックでクールな佇まい。ところがクラウトロックのマシーン・ビートに影響を受けた凶暴なギター・ノイズが何段階にも爆発する。12年の<サマーソニック>出演時から演奏のキレは光っていたものの、今の彼らは全くの別バンドだ。
バンド編成のジョーン・アズ・ポリス・ウーマンは、ピアノ~ギター、ヴァイオリンと次々に楽器を持ち替え、熟練のステージを披露。開始直後の雰囲気をみるに彼女を目当てにして来た人は少なかったと思うけれど、ライヴの力によって観客をぐいぐい引き込んで会場が大歓声に包まれる。一方、メンバーが1人減って3人編成となったクラウド・ナッシングスは、バンドの筋力が見違えるように上がって貫録すら感じさせる。3曲目の“Stay Useless”でいきなりモッシュ/ダイヴが巻き起こり、以降も新作から“I’m Not Part of Me”を披露して“Wasted Days”へ。その間奏でマイ・ブラッディ・ヴァレンタインのノイズ・ピットさながらのノイズ合戦を5分以上も繰り広げるなど、圧巻のパワー・プレイを見せた。
そして2日間を締めるべく、最後に登場したのはキャット・パワー。序盤からバンド・メンバーとおしゃべりに興じたり、コードを教えてもらったりとあまりに自由で「大丈夫? 酔っ払ってる?」と思ったのだが、ひとたび彼女が歌いはじめると、会場の雰囲気が一変する。“Bully”では「all those candles you lit」という歌詞にひっかけてキャンドルさながらライターの火を灯し、“Song To Bobby”などを演奏するとギターも手に。終盤は“Ruin”などを披露し、敬愛する忌野清志郎のマネをしてマント・ショウ(さらに元ネタはジェームス・ブラウン)も盛り込んだものの、会場にはイマイチ伝わっていなかった(笑)。とはいえ、この日の彼女は、まるで親しい仲間とのホーム・パーティーでくつろいでいるような雰囲気。それはおそらく、<HCW>のアットホームな空間が引き出したものでもあるのだろう。
毎回豪華出演者を揃えながらも、インディーならではの親密な雰囲気を忘れない<HCW>。次回開催には早くも、新作が全英1位を記録して再び勢いづくカイザー・チーフスの出演が決定しているので、こちらもお楽しみに!
text by Jin Sugiyama
photo by 古溪 一道(コケイ カズミチ)
Event Information
Hostess Club Weekender
2014.11.02(日)、03(月・祝)@ 新木場スタジオコースト
LINE UP:KAISER CHIEFS and more…!
TICKET:先行2日通し券 ¥13,900(税込/各日1ドリンク別)