■シミアン・モバイル・ディスコ
「シミアンといえば“ハスラー”(07年のデビュー作収録のヒット・シングル)のイメージで、最近は全然聴けてなかったけど、だいぶ変わってて意外過ぎ。昔の曲を一切やらない感じがかっこよかった」
(ノゾミ)
「名前は知ってたけどちゃんと聴いたのもライヴを観たのも初めて。もっとロックっぽいイメージを持っていたけど、純粋にテクノでかっこよかった。今日はここだけElectraglideやSonarSoundみたい(笑)」
(ユカっち)
■ブロンド・レッドヘッド
「ブロンド・レッドヘッド、最高でした。昔の曲もよかったし、新曲をやってくれたのもよかった。とは言っても、一番最高だったのはカズさんの生足ですね(笑:他にも複数の人が同じ回答)」
(ハマヤン)
「今日は色んなタイプのアーティストが観られて楽しかったけど、やっぱりブロンド・レッドヘッド。こういうかっこいいアーティストが出演して、ちゃんと盛り上がって終われるイベントって、日本だとなかなかないと思います!!」
(ヤマモト)
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実際この日の出演メンバーは、一言ではまとめられない多様性溢れる面々。1番手のハイアズアカイトはギターを弦で弾いたり、管楽器を使ったりしてノルウェー=北欧特有の雄大な音を展開。世界デビュー作『サイレント・トリートメント』は本国では2作目とあって、新人らしからぬ演奏の巧さも際立っていた。続いて登場したインディーR&B界の雄ソンは、静謐な序盤から徐々にペースを上げ、“Bloodflows”の中盤からは完全にダンス・モード。“Artifice”や“Lessons”に繋げると観客も大喝采で、<HCW>の序盤は本当にハズレがない。
一方12年の2月開催以来のカムバックとなるパフューム・ジーニアスは、慈しみ系の笑顔を浮かべて余裕を感じさせるステージ運び。彼はいわゆるオネエなのだけれど、前回印象的だった女性的で繊細な表現力に力強さが加わっていた他、ポーティスヘッドと共作したとの噂もある新作に向けての曲が新機軸を見せていたのも印象的だった。
そして新作『ウァール』の再現ライヴを発売前に行なったシミアン(・モバイル・ディスコ)は、機材を制限してライヴならではの魅力を追究。ライヴ録音された素材を中心に制作した『ウァール』の楽曲を、さらに現場の反応を見ながら変化させるという熟練のライヴを披露した。
そしてヘッドライナーを務めたブロンド・レッドヘッドは近年の曲を中心に、発売直前の新作『Barragán』から“No More Honey”なども盛り込んだセット。さすがにキャリア約20年を迎えるバンドとあって、イントロの時点で次々に歓声が上がっていく。アンコールを受けてふたたび登場すると、カズ・マキノが「本当に嬉しいです」と本音を漏らす一幕も。過去曲のアレンジも大胆に変えたりしながら、〈タッチ・アンド・ゴー〉や〈4AD〉を渡り歩いてきた彼女たちらしい妖気を漂わせるライヴで観客を魅了した。
また、この日はソンのライヴ前に今年大注目のインディーR&B界のフューチャリスト、FKAツイッグスの代表曲“Water Me”のMVが流れるなど、全体の流れと見事にリンクした場内スクリーンの選曲もばっちり。楽屋裏で録ってすぐにアップされたと思しき「One Minutes Left」ではパフューム・ジーニアスが腕相撲を披露し、転換中も観客の会話が弾んでいく。<HCW>らしい多様性とワクワク感が同居した、充実の一日目だった。
text by Jin Sugiyama
photo by 古溪 一道(コケイ カズミチ)
Event Information
Hostess Club Weekender
2014.11.02(日)、03(月・祝)@ 新木場スタジオコースト
LINE UP:KAISER CHIEFS and more…!
TICKET:先行2日通し券 ¥13,900(税込/各日1ドリンク別)