日本時間2月11日(月・祝)に開催された「第61回グラミー賞授賞式」でチャイルディッシュ・ガンビーノ(Childish Gambino|俳優名:ドナルド・グローヴァー)の“This is America”が主要部門の2つである最優秀楽曲賞と最優秀レコード賞、最優秀ラップ/サング・コラボレーション賞、最優秀短編ミュージックビデオ賞を獲得。
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「This is Amrica」のMVを手がけたのは日本人映像作家のヒロ・ムライ(Hiro Murai)。受賞の際にMVについて監督は「ドナルドやイボラなどガンビーノのクリエイターチームとのコラボで作った。アメリカで起こっている悲劇だけを伝えたいわけではなく、そこには喜びも含まれている。全ての感情がビデオには含まれている。」とコメント。
ヒロ・ムライ監督はチャイルディッシュ・ガンビーノの常連のコラボレーターで、“This is America”以外にもドナルド・グローバー名義で出演しているドラマ『アトランタ』や多くのMVを監督。またLA拠点で活動していることもあり、アール・スウェットシャツ(Earl Sweatshirt)やフランク・オーシャン(Frank Ocean)、フライング・ロータス(Flying Lotus)、クイーンズ・オブ・ザ・ストーン・エイジ(Queens of the Stone Age)らの作品も担当しています。
加えて、「第61回グラミー賞」で最優秀ロック楽曲賞を受賞したセイント・ヴィンセント(St. Vincent)、男女デュオCults、ア・トライブ・コールド・クエスト(A Tribe Called Quest)などNYのアーティストら、イギリスのマッシブ・アタック(Massive Attack)、マイケル・キワヌカ(Michael Kiwanuka)、オーストラリアのチェット・フェイカー(Chet Faker)の作品なども手がけています。
ヒロ・ムライ作品は、スローかつ超高速に描かれる動静やバックの色彩とミスマッチしたように登場する物体や人物(それらは時に巨大化しているし、ぼかされている)。何か起こっていそうだけど何も起こってない、何も起こってないよう見えて多動している奇妙な世界観が特徴的。また、車や鹿、犬、おばあちゃんの家にあるような壁紙が多く登場。多くのレイヤーが重なっているなかで、何もない殺伐とした空間にズームインしたりアウトしたり、とんでもないことが起こってる場所をどこか達観している登場人物が移動していったりと、形容しがたい死生観が描かれていきます。
レイヤーや映像の構図について、2019年アカデミー賞の最多ノミネートを獲得したNetflixオリジナル映画『ローマともテイストが似ていて、010年代の時代感をくっきり表しているとも捉えられる……かも。彼の作品のまとめは以下から。
St. Vincent – Cheerleader(2012)
Earl Sweatshirt – Chum(2012)
Frank Ocean -Forest Gump(Grammy(2013)
Earl Sweatshirt – Hive(2013)
Cults – High Road(2013)
Childish Gambino – 3005(2013)
Queens of the Stone Age – Smooth Sailing(2014)
Childish Gambino – Sweatpants(2014)
Childish Gambino – Telegraph Ave(2014)
Spoon – Do You(2014)
Chet Faker – Gold(2014)
Flying Lotus – Never Catch Me ft Kendrick Lamar(2014)
Earl Sweatshirt – Grief(2015)
Childish Gambino – Sober(2015)
Massive Attack – Take It There(2016)
Michael Kiwanuka – Black Man In A White World(2016)
A Tribe Called Quest – Dis Generation(2017)
ドラマ『Atlanta』シリーズ(2016〜)
Childish Gambino – This is America(2018)
INFORMATION
第61回グラミー賞授賞式 WOWOW
〈WOWOW番組情報〉
「第61回グラミー賞授賞式」
2月11日(月・祝)よる10:00[WOWOWライブ] ※字幕版
リピート放送!
「第61回グラミー賞授賞式」
3月31日(日)午後3:00 [WOWOWライブ] ※字幕版