Zayn – “Pillowtalk”
そんなグループを先に脱退し、ソロ・アーティストとしてイギリスのみならずアメリカでも初登場でチャートの1位を記録したのがゼイン・マリクの初ソロ・シングル“Pillowtalk”。ザ・ウィークエンド以降続くオルタナティヴなR&Bの息吹や、ジジ・ハディッドを迎えたMVのアルカ辺りにも通じるエクストリームな映像美など、ワン・ダイレクションの方向性とは全く異なるものになっていることが分かるはず。その鮮やかな転身っぷりは、まるでイン・シンク脱退後のジャスティン・ティンバーレイクのよう。
Lukas Graham – “7 Year”
そして15年にリリースされるとヨーロッパを発火点にしてじわじわと人気を広げ、16年に入って全英チャートでゼインのソロ曲から1位の座を奪取すると5週連続で首位になり、その後全米チャートでも2位まで駆け上がったのがデンマークの4人組によるこの曲。7歳の時に母親から言われた言葉ではじまって、自分の人生を回想していくストーリー性の高い歌詞が多くの人に支持されたことが、息の長いヒットの最大の理由と言えるのでは?
David Bowie – “★(Blackstar)”
16年といえば、プリンスとともにこの人の逝去が大きな衝撃を与えた年。1月に発表された『★』は、新世代ジャズ勢からジェイムス・マーフィーまでが参加して、晩年になっても衰えないクリエイティヴィティを発揮した作品でした。そこからのリード曲。「★」というモチーフには、闘病中だったボウイが向き合っていた死のモチーフが反映されているそう。アルバムは過去作19枚とともにチャートインして1位を獲得したイギリスのみならず、彼にとって初となる全米チャートでの1位を記録しました。
2016 上半期 USシーンも見逃せない名曲がずらり!
Alessia Cara – “Here”
16年のブレイク・アーティスト候補の1人と言えるのが、3月にアルバム『Know-It-All』のインターナショナル・リリースを迎えたカナダ出身のこの人。クラブに向かうもバカ騒ぎに馴染めずひたすら時間をやり過ごすという歌詞は、どこかセレブリティへの違和感を歌ってブレイクしたロードの世界観にも通じるような雰囲気。
Jason Derulo – “Get Ugly”
リル・ウェインやディディとの裏方仕事を経てポップ・スターに転身したSSWのヒット曲は、昨年12月のリリース以来息の長いヒットを記録。制作に“Talk Dirty”など過去の人気曲でもタッグを組んだリッキ―・リードを迎え、クラブで肩ひじ張らずに楽しもう、というメッセージを込めたパーティー・ソングになっています。
DNCE – “Cake By The Ocean”
クラブで弾けちゃうチャラソングならではの陽気な魅力に溢れているのがDNCEの“Cake By The Ocean”。「Cake By The Ocean(=海辺のケーキ)」とは意訳すると水着姿の美女たちのことで、それを「食べたいと思ってるんだ」ということは……!(察し)。アメリカのバンドながらUSチャートでの9位に対して、UKチャートでは4位を記録し、イギリスでヒットを飛ばした楽曲でもあります。
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