デヴィッド・ボウイやリアーナ、ゼインまで！ 2016年上半期のUS＆UK音楽シーンを振り返る

Fifth Harmony – “Work from Home ft. Ty Dolla $ign”

オーディション番組『Xファクター』アメリカ版のシーズン２から誕生したガールズ・グループが５月に発表した２作目からのシングルは、低音ベースと空間を生かしたサウンドスケープが印象的なアーバンな１曲。歌詞では、夜勤の仕事で忙しい彼氏に「家にいて」と歌う女心を歌っています。日本版MVではぼくのりりっくのぼうよみの一連のMVでもお馴染み、女優の池田エライザをフィーチャー！　

Rihanna – “Work ft. Drake”

全米１位を記録した２年半ぶりの最新アルバム『ANTI』からのシングル曲は、元恋人のドレイクを迎えて「ダーティー・ワーク（セックスのスラング）」を描いた楽曲。歌詞を書いたのはドレイクのOVOへの参加でも知られるパーティーネクストドアでした。日本ではアルバム発売に寄せた渡辺直美による公式パロディー映像も話題に。本国アメリカではトリプルプラチナを超えるヒットを記録しています。

Sia – “Cheap Thrills ft. Sean Paul”

当初はそのリアーナに提供するために書かれたものの、不採用になったため自分の曲としてリリースしたのがシーアの“Cheap Thrills ft. Sean Paul”。楽曲がダンスホール調になっているのは明らかにその名残で、ジャスティン・ビーバーの“Sorry”などを筆頭にポップ・シーンでも昨年から流行中のトロピカル・ハウスの要素をプラス。週末にクラブに出かける歌詞と、どこか寂しげな曲調のコンビネーションによって意味をなす曲。

Fetty Wap – “Trap Queen”

最後はアメリカを中心に大きなムーヴメントに発展しつつあるヒップホップ由来のクラブ・ミュージック＝トラップの要素を少し（ほんの少し）取り入れ、昨年全米チャートで２位まで上昇した曲。R&B界の新星ケラーニの楽曲を筆頭にトラップ系プロデューサーがメインストリーム作品に関わることも急増しているため、この流れは今年の下半期以降も続きそう。曲名の“トラップ・クイーン”とは、自宅（トラップ・ハウス）でドラッグを売る女性を揶揄するスラング。

番外編

Snakehips – “All My Friends ft. Tinashe, Chance The Rapper”

US／UKともに７組ずつピックアップしたので、最後は個人的なオススメ曲を。UKのエレクトロニック・デュオ、スネークヒップスの楽曲にティナーシェとチャンス・ザ・ラッパーが参加した“All My Friends”は、昨今のDTM勢ならではの魅力からザ・ウィークエンド以降のオルタナティヴなR&Bの質感、そしてチャンス・ザ・ラッパーの個性全開のラップが融合した、「音楽シーンの流行を全部乗せ」といった雰囲気。曲としては昨年末のリリースながらUKチャートに12週ランクインするなどロングヒットを記録しました。この曲がMTVチャートにランクインするかどうかは……ご想像にお任せします！

果たして今回紹介した楽曲がランクインするのか？　それぞれのチャートの栄えある１位は？　と、とにかく興味が尽きないMTVのUS／UKチャート特番。番組ではUS／UK共にそれぞれ50曲ずつ、計100曲のヒット曲が紹介されます。今年後半の音楽シーンを楽しむためにも、まずはこの番組で、16年の上半期をおさらいしてみてください。

☆こちらの記事は今週の『InterFM 897 Tokyo Brilliantrips』と連動してお伝えしました。