ここで『SH-101』と『MIDI・CV・コンバーター』を接続してシーケンス・フレーズを鳴らす方法をご紹介します。まず、モジュレーターのウェーブ・フォームをランダムにし、LFO/CLK RATEを0に設定。VCOは、モジュレーションが0、レンジを16、パルス・ウィズを0に設定し、PWMモード・スイッチを「ENV」にします。ソース・ミキサーは、矩形波、ノコギリ波、サブオシレーターを3つとも10にし、サブ・オシレーター・ウェーブフォームのスイッチを「1OCT DOWN」に、ノイズを0に設定します。ポルタメントのスイッチをONにして、数値を1に設定し、HOLDボタンを押してから鍵盤をどこでも良いので一回押します。
続いて上の写真のように『MIDI・CV・コンバーター』の「CV アウト」から『SH-101』の「CV イン」にケーブルを結線し、『MIDI・CV・コンバーター』の「GATE アウト」から『SH-101』の「EXT CLK イン」に結線します。VCFは、カットオフ・フリーケンシー5、レゾナンス7くらい、エンベロープ・デプス0、モジュレーション・デプス8、KYBD・キー・フォローを10にして、VCAのスイッチを「ENV」に設定します。エンベロープ・ジェネレーターはアタック0、ディケイ4、サスティン3、リリース4に設定し、ゲート・トリガー選択スイッチは「LFO」にします。
シーケンサーをスタートさせてフレーズを鳴らすと、ノート信号が鳴るたびに、フィルターがランダムに開いたり、閉じたり、まるで泡が弾けるようなニュアンスのサウンドになります。時々レゾナンスを強目にすると良い感じに音が発振し、パルス・ウィズ・モジュレーションや、フリーケンシーのツマミをゆっくりスライドさせれば、より動きのあるシーケンス・フレーズになります。さらに外部のエフェクターでディレイをかければ、スペイシーでカッコいいサウンドになります。この音色は実際に動画を録りましたのでご覧ください。
▼『SH-101』と『MIDI・CV・コンバーター』を接続して鳴らした動画はこちら。
Roland SH-101 Play Demo Sequence.
本製品のストロング・ポイントは、飽きのこないデザインと、ブリープ・テクノのような明るく鋭いサウンド、そして『MIDI・CV・コンバーター』を使えば外部のシーケンサーで打ち込みしたフレーズを鳴らせる事などです。透明感のあるシンセ・パッドみたいな音は出しようがないので、やはり使うとすればアタック感のあるベース・ラインやシーケンス・フレーズなどに適していると思います。ちなみに『SH-101』は、オービタル/ザ・プロディジー/808ステイト/エイフェックス・ツイン/スクエア・プッシャー/ニッツァー・エブ/ザ・ケミカルブラザーズ/ボーズ・オブ・カナダ などのアーティストも使用しているそうです。
アナログ・シンセはソフトウェアのシンセと違い、『MIDI・CV・コンバーター』を接続したり、演奏前にチューニングを合わせる必要があったりと、少々面倒な側面もあるのですが、目の前に実機の存在を感じながら音が出せるのは使っていてテンションが上がる大切な要素です。『SH-101』は出来る事が限られていますが、そのルックスとサウンドは強い存在感があり、今なお実用的なシンセなので、興味のある方は中古楽器店を探してみてはいかがでしょう。もしくは、実機を購入するつもりはないけど『SH-101』の音が欲しいという方は、ローランドから、ピッチの微妙な揺らぎまでを完全に再現した、『SH-101 PLUG OUT』というソフトウェア・シンセが発売されているので、そちらをチェックしてみると良いでしょう。『SH-101』はアナログ・シンセの面白さと基礎を学べるだけでなく、これからも末永く使って行きたいと思わせるシンセサイザーなのです。