シンセサイザー、電子ピアノ、電子オルガン、電子ドラム、ギターアンプなど、様々な製品を開発、販売し、日本を代表する楽器メーカーとして知られる、ローランド株式会社。そのローランドから80年代に発売されたシンセサイザー、『SH-101』をご紹介したいと思います。本製品は1982年に入門機として発売され、シンプルな作りと鋭く抜けの良い音色はとても評判が良く、生産が終了した現在でも中古市場において根強い人気があります。『SH-101』は、テクノ系のミュージシャンに今なお愛されているアナログ・モノフォニック・シンセサイザーなのです。

80年代にローランドが発売した人気のアナログ・シンセ、ローランド『SH-101』の演奏と、その魅力。 09bbc67ecb3712daf0966a96c43dfd95-700x1047

こちらが『SH-101』です。32鍵盤のコンパクトで無駄のないデザインに、整然とスライダー式のパラメーターが並び、見た目がとてもカッコよいです。『SH-101』の前に座ると、その80年代的なすっきりとしたデザインに操作したいという欲求が湧いてきます。このシンセを初めて触った時、まるでゲームみたいなサウンドのキーボードだなという印象を持ちました。アルぺジェーターを使えばパチンコがフィーバーした時のように、派手にテクノなアルペジオを鳴らす事が出来、モジュレーターをランダムやノイズにすればSFっぽい効果音を出せたりと、触ってるだけでも結構楽しめます。シンプルで明るい音色が特徴的で、カラーはグレーの他に赤と青も発売されていました。

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『SH-101』はオシレーター、フィルター、アンプとLFOがそれぞれ一個ずつという、とてもシンプルな構成です。凝った音色は作れないものの、鋭く存在感のある音色は、シンセ・ベースやシーケンス・フレーーズなどに適しています。さらに、「CVゲート」機能が付いているので、外部のシーケンサーを使って打ち込みしたフレーズで『SH-101』を鳴らす事が出来るなど、本製品は発売されてから30年以上が経っているのに、いまでも使えるアナログ・シンセなのです。

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先述しました、「CVゲート」と言う機能。これはMIDIが登場する以前のシンセサイザーに付いていたシンク信号の方式の事で、二本のケーブルを使い、ドレミの信号と、鍵盤のON・OFFの信号を外部のシンセに送信して音をコントロールしていました。MIDIが登場した事によって、「CVゲート」が付いたシンセはなくなって行きましたが、MIDI登場以前のビンテージ・シンセサイザーを現在も愛用するクリエーターは多く存在します。その場合は『MIDI・CV・コンバーター』という物が必要になって来ます。

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こちらは『KENTON ELECTRONICS』(ケントン・エレクトロニクス)というメーカーの『PRO SOLO』(プロ・ソロ)という『MIDI・CV・コンバーター』です。MIDIシーケンサーと、「CVゲート」付きのアナログ・シンセの間に『PRO SOLO』を挟み、MIDIとCVの信号を変換する事で、古いアナログ・シンセをMIDIで鳴らす事が出来るようになります。

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