「USB-MIDI」接続で、DAWのシーケンサーと『SQ-1』をシンクできる
『SQ-1』は電源アダプターのインプットは付いておらず、USBバスパワーで電源を供給するか、裏側の電池ボックスの蓋をドライバーで外し、単三乾電池2本を入れて駆動させる仕様となっています。
背面にあるUSB端子からUSBケーブルをパソコンに接続すれば、『SQ-1』のステップ・シーケンサーから、ソフトウェア・シンセをコントロールできます。DAW側を録音再生し『SQ-1』で作ったパターンを再生すれば、USBケーブルを経由して、MIDIデータをDAWに打ち込めます。そのデータを元に、DAW上でタイミングのズレを修正し、コピー・ペーストしてパターンを増やしたり、転調させるなどして、楽曲を作る事も可能です。
また、『SQ-1』をパソコンとアナログ・シンセの間に挟むように接続して、MIDIとCVを変換するコンバーターとしても使用でき、DAWからアナログ・シンセを鳴らす事ができます。
特に嬉しいのは、「USB-MIDI」接続で、DAWと『SQ-1』をシンクできる事です。この機能を使えば、DAWを再生すると『SQ-1』のステップ・シーケンサーも同じテンポで再生され、一緒にスタート・ストップできるので、DAW上で作ったリズム・トラックを鳴らしながら、本製品のツマミやボタンを操作して、アナログ・シンセのフレーズを作る事が可能になります。
このように本製品は一台で色々な使い方ができ、しかも価格がとてもリーズナブルなのが嬉しく、CVインプットが付いているアナログ・シンセをお持ちの方や、テクノ系の楽曲を作られている方には重宝する事、間違いないと思います。
様々なメーカーのシンセサイザーを自在にコントロールできる
こちらの写真はKORG『SQ-1』を、往年のアナログ・シンセ、KORG「MS-10」とROLAND「SH-101」にCV・ゲート接続したところです。
たびたび登場します「CV・ゲート」と言う単語。これはMIDIが登場する以前のシンセサイザーに使われていた古いシンク信号の方式の事なのですが、メーカーによって、2つの異なる規格が存在します。
KORG「MS-10」には、「Hz/V」という方式が採用されているのに対して、ROLAND「SH-101」には、「V/Oct」という方式が採用されていて、それぞれ「CV・ゲート」の規格が異なるのですが、『SQ-1』を使って、接続先のシンセの特性に合わせた「CV・ゲート・アウト」の電圧を設定すれば、どちらの規格にも対応が可能で、両機とも同時に正しく鳴ってくれます。
さらに『SQ-1』とパソコンを「USB-MIDI」接続してシンクさせ、DAWに打ち込んだドラム・パターンと同じテンポでコントロールできるように設定しました。このように本製品は様々なメーカーのシンセサイザーを自在にコントロールでき、新しい機材と古い機材の、つなぎ役として大活躍してくれる優れものなのです。
次は動画を見て頂きたいと思います。KORG『SQ-1』を、こちらの接続方法で一曲演奏させて頂きましたのでお楽しみください。
Demo Play KORG “SQ-1” connected to MS-10, SH-101
今の音楽制作に求められている、最新式のハードウェア・ステップ・シーケンサー
いかがでしたでしょうか。本製品の操作はとても分かりやすく、同社の「Volcaシリーズ」を触った事がある方なら迷わずコントロールできると思います。
なんといっても、本製品はアナログ・シンセを鳴らすのが抜群に面白いです。今まで使い慣れていた古いアナログ・シンセが、まるで自分のシンセではないみたいに、イキイキとシーケンスが鳴ったのには少し驚きました。
『SQ-1』は、両手を使って感覚的にパターンを作れるのがとても良く、自分の意思で作曲するというよりも、半分は機械に身を委ね、ツマミやボタンを操作して面白いフレーズを引き出すといった印象を持ちました。本製品のステップ・シーケンサーでパターンを作るのはとても新鮮で、使うのが楽しいです。
『SQ-1』を単体で購入する事もできますが、KORGから2018年の3月中旬頃に、フルサイズの「ARP ODYSSEY FS」と『SQ-1』を同梱した台数限定パッケージの「ARP ODYSSEY FSQ」が発売される模様で、両方とも手に入れたいという方には、こちらもおすすめです。
KORG『SQ-1』は、新旧を問わず様々なメーカーの電子楽器のつなぎ役として重宝し、今の音楽制作に求められている、最新式のハードウェア・ステップ・シーケンサーなのです。興味のある方はぜひ試してみてください！
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