たとえば昨年『トゥ・ピンプ・ア・バタフライ』が英米で初登場1位を記録し、<第58回グラミー賞>授賞式で最多5部門を受賞したケンドリック・ラマーの楽曲“For Free? (Interlude)”にロバート・グラスパーがピアノで参加していたのも記憶に新しい通り、様々な音楽とクロスオーヴァーして躍進を続ける現代のジャズ・シーン。中でもディスクロージャーの2作目『カラカル』への参加も話題になったグレゴリー・ポーターは、いわば「現代最高峰のジャズ・ヴォーカリスト」。彼の最新作『希望へのアレイ』がリリースされた。
『希望へのアレイ』ジャケット写真
<グラミー>も受賞! ホセ・ジェイムズと双璧をなす現代ブルーノートの“声の象徴”
ナット・キング・コール、ダニー・ハサウェイ、マーヴィン・ゲイなどを影響源に、深くどっしりとした歌声を聴かせるグレゴリー・ポーターは、10年にニューヨークのインディ・レーベル 〈Motema Music〉からデビュー作『Water』を発表。12年の2作目『Be Good』収録曲“Real Good Hands”で最優秀トラディショナルR&Bパフォーマンス部門にノミネートされると、ドン・ウォズを社長に迎えて以降ロバート・グラスパーやホセ・ジェイムズらを擁して何度目かの黄金期を迎える超名門〈ブルーノート〉と契約。ホセ・ジェイムズと双璧をなす〈ブルーノート〉発の現代ジャズ・ヴォーカルの正統的な後継者として人気を集めていった。ドン・社長就任前からグレゴリーのライブに足繁く通っていたそうで、それがこのタイミングでの〈ブルーノート〉との契約に繋がったようだ。
Robert Glasper Experiment – Calls ft. Jill Scott
Jose James – Trouble (Live from KCRW Los Angeles)
Gregory Porter – Liquid Spirit
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