“Born Slipply”が流れた瞬間、足のつま先から音と光が一気に駆け抜けて、そして頭のてっぺんで突き抜けた。我に返り、最前列から後ろを振り返ると、高々と挙がった手と怒号に近い歓声が津波のように押し寄せてきて、その勢いに飲み込まれそうになった。イギリスが生んだテクノの怪物UNDERWORLDが見せた恐ろしいまでの完璧な歌声とパフォーマンスに身体中が震撼し、その場に平伏したくなるほどの洗脳だった。“キングの姿そこにあり”
ヨーロッパを越え、日本も含む世界中から押し寄せた15000人以上ものオーディエンスによって、大成功を収めた<BERLIN FESTIVAL2015>の現地レポートをお届け!!
原点回帰かのような10年目に見せたテクノの集大成
10周年となった今年は、UNDERWORLDをヘッドライナーに、WESTBAM、Marek Hemmann、Richie Hawtinなど、原点回帰ともいえるテクノ色の強いラインナップが詰め込まれた3日間となった。
世界有数のクラブがいくつも存在し、毎週末、世界各地から訪れる人が後を絶たないパーティーシティーベルリンにおいて、“フェスティバル”というものが一体どんなものなのか正直想像が出来なかったが、良い意味で裏切られたのがこの<BERLIN FESTIVAL>だった。
会場は、ARENA BERLINをメインとし、近隣のクラブやレストランも巻き込んださすがは10周年といった大胆で大規模な作りになっていた。初日となった金曜日の夜は、関係者受付から長蛇の列が出来、ステージはどこもパンパン状態。MAP片手に各ステージ場所やタイムテーブルを確認するだけでも一苦労する広さに圧倒された。
ヨーロッパのフェスは、とにかく会場が広く、あちこちにステージが存在し、バーもトイレも充分に用意されておりほとんど並ばない。これが基本であり、そういった余計なストレスがないところが非常に良い。今回の<BERLIN FESTIVAL>においては、まずエントランスからフードコート、出店ブースエリア等へのスロープが長く、とても開放的であった。
フードの種類が多く、ヴィーガン専用やワイン専門などこだわった店もあり、何を食べてもおいしいというのはフェスの醍醐味の1つでもある。