秋、文化庁派遣在外研修員としてフランスへ渡る美術作家、田中麻記子の渡仏直前となる個展<sweet chakra>が8月28日(水)~9月8日(日)に恵比寿、NADiffのイベントスペースTRAUMARISにて開催される。

シュルレアリスム芸術に強く影響を受けた田中は、20世紀にシュルレアリストたちによって再発見され、1960年代に文化施策として復刻されたフランス・パリ近郊の奇想庭園に、近年新たな創作のヒントを見い出していた。それは「夢の具現化」「幻想と現実の錯綜する場所」としての庭園と森であり、その写真や模写からイメージを膨らませてきた。

渡航前に仕上げた新作では、生身の人間らしい視点で眼前にあるものをとらえ、ふさわしい色をほどこすという、絵画的にはベイシックな方法を試み、虚実のあわいにある絵画世界を探っている。彼女のなかで湧きあがるモチーフや物語の断片以上に魅力的なのは、画面をあまねく満たする濃厚な甘い「匂い」。ときに楽器の音色のように震え、女性のみならず、すべての大人のロマンティシズムに響くものになるだろう。

田中麻記子よりコメント

モノクロームの洞窟から抜け出し、喉元でより意識的に光を感じると後頭部から複雑な、なないろが湧き出てるそれをパレットにして、なまのにんげんやオブジェをデッサンするそうすることによってモノクロの超現実と、どこかでつながりはしないだろうかの、実験。

Event Information

田中麻記子「sweet chakra」
2013.08.28(水)~2013.09.08(日)@TRAUMARIS(NADiff A/P/A/R/T 3F)
開館日:火~土曜日
休館日:月、祭
時間:16:00-24:00(日曜14:00-22:00)
入場料:無料
オープニングパーティー:2013.08.28(水)18:00